至宝の一枚
★★★★★
37年前に高校生の時に地元の某ジャズ喫茶で新譜で聴きました。当時のリクエストの流行りはWEATHER REPORT,CTI,MILES DAVIS,RETURN to FOREVERなどがよく掛っていたけれどこの作品はもう少しでサロンミュージックかな?と聴いていて初めはあまり気にならなかったのですがその後何回聴いても今でも全然飽きません。偏差値チャートで言うと総合力満点!そのフレーズアイデア、斬新なコーダルワーク、リズムカッティング技法、全曲すべて当時のジムホール奏法が惜しげもなく披露されていて当時のジャズギタリスト志向の若い人たちは教科書として飛びついた筈です。以前発表されたエバンスとのインタープレイは何か緊張を強いられまだ実験段階でアミューズメントとは大分離れたものでしたがこの作品は随分楽しく面白く味わえるしplayboy clubというシチュエーションに相応しい演奏内容にこなれて来店客もすっかりリラックスしている様子です。ギターを嗜む人なら解るでしょうがまるで魔法使いの様な奏法で聴いたことのないハーモニーを味わえます。音色もトレベルを絞り中低音のビロードのような’こく’艶、艶やかさを利かせ、でもそのピッキングは鬼のように力強い。そして方や重量級のロンカーターのピッチカートお腹一杯聴けます。不思議なのは両楽器同じような音色で音域レジスターでもアンサンブルが埋没しないのです。つまり二層構造でサウンドが成り立ちベースソロでは微妙にチューニングを変えて浮遊感をもたらしバッキングでは元に戻したりギターを浮かせたりしながら曲に大きなうねりを付けている様に聞こえます。最高傑作の一枚です。
初心者は出直しておいで
★★★☆☆
ギターとベースって、地味・・・。
悪くはないけれどシンプルすぎる。
初心者としては、どちらも弦楽器なので、スタンダードの曲をどちらがどのメロディーを奏でるかとか、聴いてみるもの楽しかったです!
また、同じような演奏だとすぐに飽きちゃうのですが、そこはやはり一流のミュージシャンなので、お互いの掛け合いが面白くて聴き入ります。
それでも・・・正直言うと、私には地味すぎて、まだまだ魅力を感じるところまで来ていません。
修行中のアルバムです。
ロン・カーターにふさわしくないフォーマット
★★★☆☆
ロン・カーターが一番真価を発揮するのは、トリオ編成での迫力のある4ビート・ウォーキングだろう。
他にもいろいろ持ち味はあるが、本作のような、ギターとのデュオは、あまり彼の魅力を引き出しているとは言えないと思う。
彼は、スコット・ラファロやエディ・ゴメスとは明らかにタイプが違うベーシストだ。
本作の3年前の吹き込みとなる、実質的な初リーダー作「アップタウン・カンヴァセーション」と比べると、野心のかけらも無く、妙におじさん臭くなってしまった音楽だ。
プレイボーイ・クラブの座席に実際に座っていて、アルコールを飲み、彼女と談笑しながら聞く分には楽しいかもしれないが、オーディオ装置の前で、一人ポツネンと聞いていても、なんだかつまらない。
ロンのベースにはドラムスが必要だ!
なお、OCJ音源を利用した今回の「JAZZ THE BEST超限定¥1100」シリーズは、原則として、既発盤にあった日本語解説やオリジナル・ライナーの日本語訳などは一切省かれており、海外のOCJ版ジャケットに印刷されていた簡易な解説文とその日本語訳のみが添えられている。
したがって、¥1100という価格設定は魅力的ではあるものの、もし輸入盤がそれより低価格で購入できるなら、比較級で本シリーズの日本盤を購入するメリットはほとんどないと判断する。
本作のマスタリングは1990年。
デュオの最高傑作,
★★★★★
ジャズのデュオというと、ピアノとギター(ビル・エヴァンスとジム・ホール)の「アンダーカレント」やピアノとサックス(ケニー・バロンとスタン・ゲッツ)の「ピープル・タイム」などが傑作だ。異なった楽器の組み合わせが普通だが、このアルバムのようにギターとベースという弦楽器同士のデュオは珍しい。出来は最高。弦楽器同士のインタプレイのすごさに驚かされる。当時としては画期的な試みだったのだろう。もちろんアルバムの成功は、ジム・ホールとロン・カーターという超実力派あっての事だ。選曲も有名な表題曲以外に「朝日のようにさわやかに」「枯葉」「セント・トーマス」など名曲ばかりなのが嬉しい。1972年と古い録音、しかも条件の悪いライヴだが、ジム・ホールの透明感溢れるギターとロン・カーターのベースの低音もよく再現されている。1970年代を代表する名盤である。(松本敏之)
メセニー、アバークロンビー、ジョンスコ、フリゼールの原点
★★★★★
とても35年前の演奏とは思えないアルバムだ。今、聴いても実に新鮮でイササカの古さも感じさせない。ジムの斬新なコードヴォイシング、オリジナリティー溢れるアドリブライン、そして多彩なテクニック。ロンとのインタープレイのクォリティーの高さ。掛け値なしにジムのベストアルバムだろう。ジムの演奏をアナライズすれば分かるはず。このアルバムが無かったならば、現在のパットメセニー、アバークロンビー、ジョンスコ、ビルフリゼールは存在していないかもしれない。