命を削る断食・小食 断食の効果はステロイドのように一時的 メガビタミン叢書
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『3日食べなきゃ、7割治る!』船瀬 俊介著(三五館)
という本があります。船瀬俊介先生のおっしゃる
「3日食べなきゃ、7割治る!」は半分正しく、半分間違いです。正確には
「3日食べなきゃ、【一時的】に7割治る!」です。
あくまで治るのは一時的です。そして断食を繰り返すことで、深刻な【質的栄養不足】(タンパク質不足+脂質不足+ビタミン不足+ミネラル不足)を生み、免疫力が低下し、老化が進みます。
断食の効果はあたかもステロイドのようです。例えば、アトピーの人がステロイド薬を使えば、痒みはすぐに止まります。まるでアトピーが完全に治ったかのようです。しかし、それは一時的です。薬が切れればアトピーはまた悪化します。一時的な効果に魅了されてステロイドを使い続けると、免疫力はどんどん低下し、アトピーは慢性化していきます。
1953年にステロイド外用薬が認可されました。それまではアトピーは子供中心の病気だったのですが、ステロイドを使用した子供達は、ステロイド依存症になり、成人してもアトピーのままというケースが増えてきてます。ステロイドによって、アトピーは大人の病気になってしまいました。
同じ事が断食にも言えます。3日断食すると、アトピーは軽減します。まるでステロイド薬を使ったかのように痒みは消え、腫れが引き、皮膚は奇麗になります。しかし、食べれば、また悪化。これを繰り返していくうちに、免疫力が落ちていきます。
断食と免疫
なぜ免疫力が落ちるのでしょうか。免疫細胞は顆粒球、マクロファージ、樹状細胞、リンパ球(ヘルパーT 細胞、キラーT 細胞、B 細胞、NK 細胞)の 4 種類に分類されます。これらの免疫細胞は、タンパク質を主材料にして作られます。材料が不足するので、免疫力が落ちます。味噌なしで味噌汁を作るようなものです。
断食中は食事でタンパク質が補われません。血中アミノ酸濃度は5時間ほどで低くなります。お昼にステーキを1kg食べても、夕方には血中アミノ酸濃度が下がります。ですので、朝・昼・晩、さらに睡眠前など、1日3~6回くらいに小分けしてタンパク質を補った方が効果的です。1日1食や断食中は、血液中のアミノ酸が不足するため、骨や筋肉や肝臓などを削り、アミノ酸を供給します。断食で命を削ります。
そもそも、食事法で体質を変えるには数年を要します。糖質制限でもメガビタミン(分子栄養学)でもそうです。速攻的効果はないです。そのため長期継続する必要があります。
一方、断食は即効性があります。素晴らしい効果があります。しかし、止めればすぐに元に戻りますので、やはり長期継続する必要があります。長期継続しますと、短期間の効果よりも、長期間の悪影響が全面に出でます。
目次
1 断食の効果はステロイドのように一時的6
●1-1 断食の効果は一時的6
●1-2 断食と免疫7
●1-3 断食に個人差がほとんどない理由8
●1-4 断食・不食を目指せば、99.99%の人は健康を害する9
●1-5 断食はビルの壁を素手で登るようなもの10
●1-6 断食と糖質制限11
●1-7 28年間の断食の経験・観察から本を書いてます12
●1-8 私の断食生活14
●1-9 私が玄米菜食・小食・断食を捨てた理由14
●1-10 1ヶ月間、青汁だけで生活16
2 断食ハイ19
●2-1 断食ハイとは19
●2-2 断食ハイと虚言癖20
●2-3 断食とセロトニン20
●2-4 交感神経優位な断食21
3 断食の効果は数日で消えて、デメリットは長期続く23
●3-1 断食の効果は短く、デメリットは長い23
●3-2 断食は宿便を排泄する。宿便を出せば全ての病気が治る23
●3-4 腸マヒ27
●3-5 断食は環境毒素を排泄するーデトックス効果27
●3-6 断食は冬眠29
●3-7 断食は自己融解を起こす29
●3-8 断食とオートファジー31
●3-9 断食と長寿遺伝子が活発になる―サーチュイン遺伝子33
●3-10 断食後に過食してしまう理由。断食後に砂糖がほしくなる理由34
●3-11 断食ができないのは意志が弱いからではない36
●3-12 断食・小食に慣れてしまう理由37
●3-13 断食は免疫を上げる38
●3-14 断食と酵素38
●3-15 断食は活性酸素を減らす40
●3-16 ハゲ・薄毛・毛質が細くなる41
●3-17 断食で超能力がつく42
●3-18 甲田カーブ43
●3-19 断食と骨折44
●3-20 断食と精神疾患、自殺45
●3-21 断食で死亡45
●3-22 断食と肝臓47
●3-23 断食・小食で引きこもり、無職47
●3-24 胃弱の人が断食にのめり込みやすい48
●3-25 断食の情報はオーバーに語られていく49
●3-26 断食・小食と黒砂糖、ハチミツ51
●3-27 長期断食の果て51
●3-28 断食の末期52
4 断食と病気54
●4-1 断食と癌54
●4-2 断食とアトピー56
●4-3 断食と膠原病(リウマチなど)58
5 動的平衡60
●5-1 動的平衡とは60
●5-2 中古アミノ酸63
●5-3 修飾アミノ酸による弊害(低タンパク食の弊害)64
●5-4 血液検査で見るタンパク質不足64
6 断食で痩せる67
●6-1 断食は一時的に痩せるが、長期的には太りやすい体質になる67
●6-2 断食、ダイエット経験者が糖質制限すると太る理由69
●6-3 断食でミトコンドリア系代謝ができなくなる69
●6-4 断食でミトコンドリア系が働かなくなり糖質選択に69
●6-5 MEC食や糖質制限で太る場合70
7 間欠的ファスティング71
●7-1 間欠的ファスティングの効果も短期的71
●7-2 満腹になるまで食べても太らない?72
●7-3 間欠的ファスティングは断食ではないという説について73
●7-4 間欠的ファスティングにも断食ハイがあった74
●7-5 ボーンブロススープ75
●7-6 味噌汁―日本のボーンブロス78
●7-7 間欠的ファスティングから糖質選択へ78
●7-8 インスリン抵抗性をサプリで改善80
8 命を削る断食84
●8-1 断食など様々な食事法を試した成田徹朗さんの体験談84
●8-2 断食の情報が偏る理由93
●8-3 断食の苦しみ95
●8-4 食べたいという欲求は生きたいという欲求97
参考資料98
●参考1 西式健康法―西勝造先生98
●参考2 甲田療法―甲田光雄先生99
●参考3 不食―山田鷹夫先生100
●参考4 森美智代先生100
●参考5 秋山佳胤先生101
●参考6 マクロビオティック102
●参考7 藤本憲幸先生102
●参考8 ジャスムヒーン先生103
著者書籍104