著者が女性であるためか、カメラを機械として描くのではなく、あくまでも道具として有効に使う方法を指南している構成に、非常に好感が持てる。
見開き1ページで一つ要素を教えるという基本構成になっており、気が向いた時にパラパラとめくる感じで読む事ができるのも、初心者には取っ付き易いのではないだろうか。
写真撮影のテクニックや、その応用について描いているというよりは、基礎の基礎を簡略化し、作例写真と共に丁寧に描いている。
惜しむらくは、現像 -> プリントについての解説が皆無に近く、トリミングや焼き込みなど、プリントの仕上がりを左右する部分のハウツーが得られないことか。
同時プリントではイマイチな写真も、DPE店でちょっとした指示を出せば、十分に観賞に耐える写真になるのだということを、ページを裂いて解説して欲しかった。
写真は、形はともかくプリントに仕上げてこそ、作品になるのだから。