彷徨う現代の教育へ・・・
★★★★☆
コルチャックという人物について、日本以外の国では、彼の業績はよく知られていて、子どもの権利条約における精神的な父としても知られています。日本における認知度はまだまだで、90年代にようやくマスコミ等に取り上げられるようになりました。
近年日本の教育は大きく動いています。変革がどのような方向に進んでいくのか、みんなが分かりにくい状況です。でも、どのようなときにでも忘れてはいけないことがあります。
それは今を生きる子どもたちのことです。
コルチャックは今から数十年に亡くなった人物ですが、その考え方は今の教育で頭を悩ませている私たちに何のために教育が必要なのか改めて考えさせてくれます。
コルチャックの本は、日本でもいくつか出版されていますが、本書のように医師・作家・教育者としての彼について、教育実践、教育思想にまで言及しているものは多くありません。
学者でコルチャックを本格的に研究している人は日本国内で数名のため、本書は大変貴重なものです。
また、コルチャックの研究をしている人にとっても、巻末の文献目録等多くの面で役立つでしょう。