お買い得
★★★★★
オリジナルアルバムからリミックスまで
今までの砂原氏の軌跡をみることができ、
まさに集大成といった内容です。
とくにプロデュースした作品からリミックスした作品を
ひとまとめにしてくれたのはありがたいところで、
本当に買って良かったと思えた所でした。
さらに一曲ごとに本人のコメントが記載されているのもまた良く、
どんな状況で作品は作られたのかを知ることができるのも、
ベストアルバムならではの良さがありました。
ただ、やはり砂原氏オリジナルの楽曲はオリジナルアルバムでじっくり聴きたいと感じますね。
なおさら、このベストアルバムはそんな砂原氏の音楽を初めて聴く人にとって、
とても良いきっかけになる、しっかりまとめられた親切なアルバムだと思いました。
抑制されたユーモア
★★★★☆
自作をまとめたベストとリミックス、プロデュースワークを編んだ2枚組。
一枚目、自作のベストに収録された楽曲は、
コンセプトに重きを置いて作られていたアルバムからの抜粋なので、正直オリジナルアルバムを通して聴いたほうが消化が良いかも。
でも、単体で聴いてみても、すべての曲で茶目っ気とストイックな感覚がきれいに共振していて、まったく飽きずに集中して聴けるのが素晴らしい。中毒性高いです。
とりわけ3曲しか収録されていない「LOVE BEAT」からの曲がずば抜けてよい。
音数の削がれた、シンプルでメカニカルなサウンドなのだけれど、
オーガニックなグルーヴを感じる不思議。絞り込まれて存在する音は雄弁なんだなと。
2枚目のREMIX,プロデュース集では明らかにACOの『悦びに咲く花』が群を抜いて素晴らしいです。しかし、改めて書き起こすとすごいタイトルだなぁ。
効果的な音の引き算
★★★★☆
非常にシンプルで緻密な計算されたサウンド。作業の積み重ね具合、ストイックに音つくりをしてきた10年の経過が伝わってきて、まりん大丈夫?健康害してないか?と心配にさえなる。
Disk1M10-love beatは、ゆったり聴けるミニマム音楽。
しかし、ミニマムって脳が疲れている時にハマりますね。トキメキます。
ちなみに、Disk2M14-living sourceは、日暮愛葉以外のボーカルで是非。80年代の例えば矢野顕子「春咲小紅」のような化粧品CMキャンペーンライクなキャッチーなピコピコテクノを何であんな低音ドス利き日暮が歌うのだ!? もっとカワユイ声で歌って欲しい。残念!日暮側からのオファーとのことですが。曲は春を感じるカラフルなティストにミスキャスト。
まりん氏の集大成。
★★★★★
ソロ活動でのまりん氏は、電気グルーヴでの活動とは違って繊細かつシンプルな楽曲が多いように思えます。それについては解説にも現れていますが、『Sun song '80』を代表するような世界観は特に好きです。
航空会社のイメージアルバムを二枚ほどリリースされましたが、どれもこれも捨てがたい曲で、『Sun song '80』をはじめ、『WELCOME TO JAPAN』『747 DUB』などが今回収録されましたが、個人的には第2弾も期待したいです。
補足です
★★★★★
このアルバムには、砂原氏本人の1曲ずつの解説が収録されています。
解説のひとつひとつのコメントはシンプルなのですが、1音1音を非常にだいじにする砂原氏なだけに、言葉のひとつひとつに重みがあるような気がします。
砂原氏の、ストイックかつ奥深い感性をうかがい知ることができます。
これは多くの砂原氏のファンや音楽ファンにとって、すごく参考になります。
特にテクノクリエイターや音楽家を目指しているかたには、とても勉強になるのではないでしょうか。
「たんなる代表作をまとめただけのアルバム」ではないことは確かです。
私個人としては、新作も楽しみです。
どうなっていることやら・・・。