J.J.ケイルはエリック・クラプトンのキャリアを特徴づけるソロ・ヒット「Cocaine」と「After Midnight」の作者だ。クラプトンはWWJD(イエスならばどうするをもじって、J.J.ならばどうする)式に自分というものを形づくることがしばしばだったから、このコラボレーションはもっと早くに成立してもおかしくなかった。だが、かなり巧みなプロダクションやベーシスト4人、ドラマー4人、ギタリスト5人、パーカッショニスト3人というサポート・ミュージシャンの長いリストにも関わらず、『The Road to Escondido』ではクラプトンよりもケイルのほうが目立っている。どちらかと言えば寡黙なオクラホマ出身のケイルが14曲のうち11曲を作り、彼のブルース、ジャズ、カントリーの低いつぶやくような声が、このアルバムのトーンを形成し、方向性を定め、クラプトンは尻馬に乗っている。オープニングの「Danger」はダスキーな雰囲気で、ふたりは典型的なケイルのスワンプ・グルーヴに乗り、タイトにうねる"スローハンド"クラプトンのソロへと突入する。深夜のジャズ・ブルース定番の素晴らしいバージョンである「Sporting Life Blues」ではリード・ヴォーカルを交替し、捉えがたいブルースの「Hard to Thrill」では神出鬼没のジョン・メイヤーが印象的に登場している。クラプトンが自身の作品でこれほどリラックスした、あるいは入れ込んだ音を聞かせたことは何年もなかった。完全に眠気を誘う音ではないとしても伝統的なレイドバックのケイルは、比較的活発なパフォーマンスで反応しているが、これはクラプトンという著名な競演者に合わせたのだろう。足踏みしたくなるミッドテンポの「Anyway the Wind Blows」でふたりがハーモニーを響かせると、ごく自然でのびのびとした結果が生まれており、もっと早くにコラボレーションが実現しなかったことが悔やまれる。名目上は、すでに地位を築いているスーパースターと組んだケイルが得をしたように見えるが、実際のところ、このコラボレーションはエリック・クラプトンの長年のキャリアでもっとも人を引きつけ影響力のあるルーツロックの作品となっている。--Hal Horowitz
渋いッス
★★★★☆
ブルースが好きで、購入しました。
50年代60年代のブルースばかり聞いています。そればかりだと、疲れてくるのでもっとポプなブルースロックをと思い購入したらピッタリでした。
それぞれのギターフレーズ、音の融合がたのしいですよ。休日、海岸線をドライブするときの
BGMに最高です。
買いですが・・・。
★★★☆☆
ずいぶん長くJ・Jを聞いてきましたが、まさかフジテレビの朝の情報番組でJ・Jを見ることができようとは思ってもみませんでした。おそるべしクラプトン!ではありますが、本作はそのクラプトンがJ・Jの持ち味を削いでしまっているような気がします。クラプトンからJ・Jを知ったものの、当のクラプトンとはすっかり疎遠になってしまった現在の自分はもちろんクラプトンの良いリスナーとは間違ってもいえませんが、近年のどうしても聞く気になれないクラプトンの音とでもいう要素がJ・Jに靄をかけている印象を受けます。ブートでこのアルバムを作る過程の音源が出てくれば、そちらのほうがずっとふたりの実像を伝えてくれるのではないでしょうか。
リラックスしたJJ&EC
★★★★☆
両者ベテランなのでリラックスして気負いのない曲が多くてなんとなく聞き終わってしまいます。JJとECの声が似ていてどっちが歌っているかわかりません。
傑作じゃないですか!
★★★★★
売り込みに全然熱心じゃなかったJ.J.Caleの作品は、最近ではCD屋さんでもホント見かけなくった。でも、彼のアルバムには名曲がいっぱいあるんです。「Magnolia」以外にも「Mona」、「Rose in a Garden」とか。どれも素晴らしい曲です。一方68年頃から急速にアメリカンミュージックに傾倒していったE.C.はLeon Russel、Delany and Bonnie、The Bandなどからインスパイアされたのと同時に、J.J.Caleに深い感銘を受けたのだと思います。いつかこんな作品をやってくれるのではないかと思っていました。惜しむらくはもう一人J.J.CaleのファンでありE.C.とも縁のあるMark Knopflerが一枚噛んでくれれば更にうれしかったと思います。いずれにせよ、良くできた作品で、聴いてて飽きないです。特に4曲目の「When This War Is Over」は現在のアメリカの戦争に対する痛烈な批判で、痛快ですらあります!この曲の最終コーラスのソロはE.C.だと思いますが、ドキッとするような鋭いプレーです。まだまだやりますねぇ!それからデレクトラックス、アルバートリーのプレー、そして御大J.J.のプレーもそれぞれ素晴らしかった。地味ながら傑作ではないでしょうか?
これを聴いて、J.J.Caleの深い深い世界に興味を持ってくれる人が一人でも増えることを期待します。
これぞレイドバック!
★★★★★
判っちゃいないねぇ〜。クラプトンの生い立ち何かを考えると、彼は常に”孤高”だったんだと思うけどねぇ〜、そして周りの評価に常に彼自身は、”とまどい”を感じ続けながら、今迄プレイしてきたと思いますよ。個人的なみかたですけどね。
それに彼の今までの人生は、彼の大好きで、プレイの核になっていると思われる”ブルーズ”好きのミュージシャン仲間と、皮肉な事に、次々と死に別れている。彼の人生は、かなり波乱万丈ですけれど、少なくとも好人物で”友達”を大切にする人。このアルバムも、名義は自分の名前を後にしている事からも、それがうかがえませんか?
このアルバムは、以外に良いですよ、少なくともここ最近のクラプトンのアルバムに全く興味が無かった私には。
それに、参加ミュージシャンも豪華じゃないですか!来日時にメンバーだった、デレクにドイル。ベースにウィリー・ウィークスや曲によって、ピーノ・パラビーノなど腕利き揃い。さりげなく、アルバート・リーもギター・ソロで活躍。もちろん今は亡きビリー・プレストンがキーボードで参加し、このアルバムは、彼に捧げられてもいる。
期待以上に私には良かった(J・Jケイルのアルバムは持っていないし聴いた事も有りませんが)。
だから、星五つですよ!