信用調査機関の実態と、その際のこぼれ話を収録した本。私自身似たような仕事をしているため、啓発されるところがありました。もっとどぎつい話もあるのでしょうが、常識的な線でまとめられていました。この分野に興味のある方には是非一読されることをお勧めします。特に調査される側になる企業の皆さんはお読みになっておいたほうがよいのではないでしょうか。私としては参考になったのは、危ない企業が本当に危なくなりそうな時には信用調査を打ち切るという話。調査を実施すること自体がその会社の信用を傷つけ、倒産の引き金を引きかねないというくだり。やっぱりそうなんだね。ちゃんと配慮もされてるんだね。

　出版社が日経ＢＰ社であり、サブタイトルが「プロが教える
情報収集術と企業分析法」となってる。しかし、本書はとても
楽しめるエンターテイメント本である。

　もちろん債権保全のための勘所を身につけておきたいという
人も読者対象にはなる。が、私には高杉良氏などの小説という
味わいで「人間の裏側、社会の裏路地」を垣間見れたような気

分が味わえた。