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ゲバルト時代 SINCE1966-1973 あるヘタレ過激派活動家の青春

価格: ¥1,890
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: バジリコ
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当時の情景が生々しく描かれている本 ★★★★★
同時代を生きていない人間として,どうしても当時の状況を肌で感じることができず,もどかしさを感じていたりする。
自分の学生時代を思い返すと,1度だけ「中核」と書いた白ヘルメットの集団を見たことがあるのと,当時の自治会か何かの部屋で内ゲバ騒ぎがあったぐらい。

とにかく読みやすく,著者のいい加減でその反面真面目な?活動ぶりの中から,当時の情景が生々しく描かれている本。連合赤軍と日本赤軍の違いにすらよく理解していなかったのが,すっきり分かる。

人間模様ですね。
普通の感覚を持った人だから、総括にまきこまれずに済んだ、のかな? ★★★★☆
この本の著者は、良い意味での常識人・普通人なんだと思う。

「デモに参加するのは、革命のことを本気で考えていたからではなく、
非日常的な、お祭りの日みたいで楽しかったから」と述べている。

著者はやがて、なりゆきから赤軍派へ参加するが、
アジトでの仕事は、事務所での電話番。
当時の学生運動の革命家のように、
哲学や文学や共産主義の本を読んだり、討論なんか全くやらず
他の落ちこぼれ仲間と麻雀ばかりやって遊んでいた。

当時の赤軍派のリーダーだった森さんから、
「自分の直属の部下になれば、組織の中で、もっと出世できるぞ」と誘われた時も、
幹部の青砥から「山で軍事訓練をやりにいかないか」と誘われたときも、
「めんどくさいから、いまのままで良いです。いきたくありません」と、しっかり断っている。

その後、ビルのトイレ掃除のアルバイト先で、あさま山荘の銃撃戦をテレビ中継で見ることになるが、
「あいつら、まだ、こんなことやっていたのか?!」と驚き、
山での総括リンチを知って、革命ごっこから足を洗うことを決心した。

いわゆる、フツーの人の学生運動回顧録なんじゃないかと思う。
著者は「へたれ」でもなく、「普通の感覚を持った、普通の人」ですよ。

うっかり「山」なんかに行っていたら、いいかげんな自分は、真っ先に「総括」されて、
この世にいないだろう、ガクガクブルブル。のくだりは、普通人の多くの読者の共感するところだと思う。
ゲバルトがそんなにエライのか? ★★★☆☆
私は、筆者より数年下の「トラウマ世代」と呼ばれる年代です。全共闘年代は、数年の違いでしたが、後続する我々に対して知ってか知らずかおびただしくツケをまわし今だにいい気なもので企業でのさばり続け、停年を迎えるに際しては年金生活を楽しみにしている鉄面皮なヤカラも、ゴロゴロおります。

さりとて、連合赤軍の悲劇を美化して真面目に死んだからエライという議論もおかしい話ですよ。当時、赤軍派と毛沢東主義者が野合するなど高校生の自分らにも馬鹿げていると読めました。案の定の殺し合いです。殺し合いやリンチを驚愕したとカマトトを言う人は、よほど愚昧な方です。べ平連も、実態では市民運動ですらなかった。ただの新左翼党派のダミー大衆運動であることが、みえみえでしたね。どこにまっすぐな正義感などありましょうか。民青同って組織は、肉親が相当視野をくれましたが到底戦後憲法的な理念が横溢している運動体とは思えない。つまり反動的ファシズム的な組織ばかりなんですよ、日本的左翼党派っていう存在は。

わたしは、この本からなにも学ぶことはありません。
しかし、あの時代の証言としては歴史的価値があると確信します。
さっこん、なにをトチ狂ったか塩見卓也とか、重信房子を過剰に持ち上げる傾向が一部にみられますが、とんでもない錯誤だと思っていました。

そういう意味では、この著述の今日的意義はあります。
あくまで「ゲバルト時代」の愚昧さを、白日の下に晒すという「現在有効性」の限りにおいてです。この効用で考えれば、あの時代に妙な幻想を描きかねない人たちはぜひ一読されるべきではないでしょうか。

無節操派の70年史 ★★★★☆
 1967年に高校を卒業して浪人生となった筆者は,中核派・べ平連の周辺をうろうろした後,赤軍派の公然部門アジト「アポロ」に出入りするようになるが,替え玉受験で得た報酬や週刊現代記者の取材に応じて得た報酬などを上に報告していなかった件で査問を受け,赤軍派から逃げ出す。その後,RG派の地下活動に従事し,パトカーに火炎瓶を投げたりするが,連合赤軍のリンチ事件を知って活動から足を洗うことを決意し,RG派からも逃げ出す(皮肉にも,その後,RG派活動家の逃亡を助けたとの件で,逮捕・起訴されてしまう)。

《私は内ゲバや「革命ごっこ」が面白いから参加しているだけであって,「革命ごっこの親分」たちの言いなりになるつもろはなかった。「革命」は希望がありかつ面白くないと成就しない。》(246頁)

 連合赤軍の森や,殺された遠山・行方らのような「まじめな」活動家も多かっただろうが,筆者のような「チャランポランな」活動家も多かったのだろう。
 正統的な全共闘史には出てこない当時の雰囲気(女性活動家とアジトで雑魚寝して,手を出して妊娠させてしまったのが今の奥さんなど)がよく伝わってくるという意味では,非常に面白い本だった。
人間を動かすものは情熱である ★★★★☆
情熱を齎すものは理想であったり、人間関係であったり。しかめつらしいイデオロギーの仮面を剥ぐと、男女のこと、若い日の放埓、古い時代から受け継いだ義侠心、そういうもので満たされている。痛快かつ哀しい本である。ほんのフトしたことから、著者は連合赤軍の悲劇を逃れた。ちゃらんぽらんで面白がりの著者は生き残り、真面目な同志は山中で果てた。

組織の持つ原罪、日本のトップに巣食う無責任さ、告発しつつも 無常観を醸しつつ明るく表現しているところが救いである。