新しい本を読もう
★★★★☆
北京五輪を前に中国関連の書籍は出版ラッシュで『玉石混淆』に近い状況にあるが、著者の「わが祖国、中国の悲惨な真実」と共に読みやすい構成である。それは月刊誌WiLL4月号特集での、金美齢さんや石平氏らと同格以上の誌面での待遇からも見てとれる。著者は日本に帰化された方ではあるが、生を受けた地である中国をとても憂いていることが読み取れ好感が持てる。傭兵作家・柘植久慶氏の著作「中国大崩壊」や宮坂聰氏の「中国ニセ食品のカラクリ」など秀作も多いので興味のある方は読み比べても面白いかと。『玉石混淆』とは言っては見たものの、いずれにせよ2006年以降に執筆されたものでなければ現在の中国情勢を推し量ることは難しいのではないだろうか。