美人ギタリストの透き通るスムースジャズを
★★★★☆
ジャケットには、いかにも正統派アングロサクソン系の女性がこちらを向いている。手を押し付けているのは、タイトルのRevolving Door(回転とびら)なのだろうか。裏面では、テレキャスタ(多分オリジナル)ぽいギターを肩にかけ、今度こそ本当に回転とびらの取手に手をかけてこちらを向いてスマイル。この美人が、(試聴してもらえばわかるが)あんなカッコイイギターを弾くなんて信じられない...
ジョイス・クーリング(名前もカッコイイ)のこのアルバムには、色々な要素が詰まっている。ドライブする16ビートバリバリもあれば、テンションがカッコイイジャジーな曲、ライブの引き語りっぽい曲(ボーカルは3曲)もあり、「これってカントリー?」っていうようなものまで。アルバムのコメントもキーボードのジェイ・ワグナーと一緒なので、おそらく、彼の影響も大きいかもしれないが、単なるスムースジャズでは片付けられないお腹の底から湧きあがる喜びを感じさせてくれる。ギターテクニックは、マニアックにならない程度の十分凄いレベル(耳コピーは結構簡単)だし、エレキギターはもとより、アコースティックギターの曲が結構多いのも頼もしい限りだ。
ますます、このギタリストに興味がシンシン湧いてきた。今度、西海岸(彼女の本拠地らしい)に行くときは、是非ともライブで拝見したいものだ。(ホント?)
最後にCDに挟まれているジョイスのコメントのほんの一部を紹介すると
「タイトルについて
回転とびらは、ひとつの現象だ。永遠に回り続けるとびらに人が入っては出て・・・。精神的にまいっている人もその家族も、この回転とびら(人々の蔑視など)にはまってしまう時がある。私の兄弟もその一人で、家族も含めてつらい思いをしてきた。このCDの売り上げの一部は、NAMI(米国の精神障害に関する協会)に寄付されます。少しでも回転とびらの回り方が遅くなるように。」(Revolving Doorってそういう意味だったのネ、翻訳下手)