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海からの贈物 (新潮文庫)

価格: ¥452
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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ジェンダー/フェミニズムから相手にされない本 ★☆☆☆☆
 本書は新潮文庫版だけでも73刷(2004年)を重ね、他に落合恵子訳もある。希少なロングセラーの一書である。帯には「現代女性必読の書」とあり、多分修養書として教授や教師からの推薦が続いているのだろう。こんな愚にもつかぬ本を長年に亘って読まされてきた現代女性もずいぶん馬鹿にされたものだと思う。

 美辞麗句に惑わされず、著書の言わんとしていることを読み取れば、要するに女は家庭のなかで「無限に与え続けよ」と言っているに過ぎないと理解される。ここでは妻だけが問題とされ、夫や子供たちは蚊帳の外だ。

 この本を「愚にもつかぬ」というのは、ジェンダー/フェミニズムの観点から考えれば明らかである。本書が出版されて数年のうちに、「いつの頃からか、近頃アメリカの女性の生き方は、どこかひどく狂っていると感じるようになってきた」という有名な書き出しで始まるベティー・フリーダンのThe Feminine Mystique(邦題『新しい女性の生き方』)が出版され、そこには一度は喜々として家庭に納まったはずの妻たちが、言いようのないいらだちを抱えていることが暴露され、家庭のなかで家族に無限に与え続けることの不可能さと無意味さが共感を呼び、第2波フェミニズム運動が切り開かれた歴史があるからだ。

 「美辞麗句」と書いたが、日本語版では更に、「・・・ではないだろうか」という曖昧な言い回しを多用して、女性読者を引きつける戦術を取っていることは疑いない。例えば第五章の冒頭部分の原文は "But surely we do demand duration and continuity of relationships, at least of marriage."であるが、翻訳は「しかし私たちは少なくとも結婚に関する限り、それが恒久的なものであることを望むのではないだろうか」と、強調動詞doを無視して文章を和らげている。ここには原文が持つ断定すらも否定されている。こうしたレトリックが随所にあるのが本書の特色でもある。
 
 著者、アン・モロウ・リンドバーグは経歴からすれば卓越した女性の一人であるが、彼女もまた、フリーダンが自書で、著名な人類学者マーガレット・ミードが、「自分は別だが、一般女性は困難な成功の道を歩むよりも、家庭に帰ることが好ましい」と言っていると批判した同じ間違いを犯している。上品な知性をひらけかした言葉の重なりの下に、本人は気がつかないかもしれないが、成功者にありがちな一般女性を見下した態度が透けてみえる。

 こういう言い方は、批評者である筆者の卑しさも透けて見せてしまうことを覚悟しなければならないが、原書が今も女子大などで英語教材として使用されているとも聞く時、字面に踊らされて感動してしまう一部の「現代女性」に覚醒を促すために敢えて記す。

 なお原著『Gift from the Sea』は初版から20年を経た1975年に改訂され、リンドバーグの「敗北宣言」とも言える一章が付け加えられた。落合恵子訳版や講談社英語文庫の英語版にはこれが記載されているが、本書にはない。訳者の吉田健一や出版社が承知の上でわざと書き落としてるいるのなら、読者に対して無礼である。
ああ、なんという ★★★★★

この本は女性向きですが、僕は男性です。
ただ、ものすごく感動しましたし、

「新鮮に削られた鉛筆」など、
言葉の切り口に魅せられてしまいました。

あと、読んでいるときにやさしい時間が周りにながれだし、
ゆりかごの中にいる赤ちゃんのような気分になれます。

ごく稀に出会うことのできる、
「時空を変える本」の中の1冊です。
一歩を踏み出す勇気があれば! ★★★★★
この本を読んでいると、心の平和というのは個人的努力によってのみ達成されるものであって、集団や組織によってもたらされるものではないことが骨身に染みて理解できます。そこには家族から一時的に離れることまでもが含まれています。なにより意志の強さが必要ってことです!
現代社会において忘れがちなことを思い出させてくれる ★★★★☆
本来であればだれもが認識しているはずのことも、忙しない現代社会の中ではつい忘れがちになってしまうことがあり、そういうものに限って特に大切なことである場合が多いということを思い出させてくれる作品です。女性向きな作品ですが、男性が読んでも参考になる所が多いと思います。
ただ、どういうわけか訳が読みにくいと感じるところが多々ありました。言い回しや語順をもう少し分かりやすくして欲しかったです。女性作者の作品を女性が翻訳しなければならない必然性はもちろんありませんが、この作品に関しては作者と感覚のより近い女性の方が訳したもう少し柔らかい翻訳で読んでみたいと思いました。
読むたびに新鮮な気づきが得られる本 ★★★★★
はじめて読んだときからもう20年近く経ちますが
いまだにたまに読み返しては
自分の生活・暮らし方について考えさせられます。

忙殺されているとき
充実しているとき
自分を取り巻く環境が変わったとき

その時々でこの本を読んで感じることが異なっています。

ほら貝や日の出貝など身近な生き物にふれながら
自分の暮らし方を見つめなおしているこの本には
他人との関わり方や自分の時間を持つことの重要性や
自然との接し方など
忘れかけていたことを思い出させてくれます。
また最近あった出来事を照らし合わせてみたりして
感慨深くなることがあります。

いろいろな便利な道具や情報に溢れている
今だからこそ改めて読み返してみたくなる一冊です。