1994
★★★★★
行く手をはばむ壁を次々と打ち崩していくダイナマイトのような破壊力を、彼女が失ったのはいつの頃からだろう。過激さと戦略と逞しい身体つきで、相変わらずの女王ぶりを演出はしていても、当時の彼女には閉ざされた相手の心の扉さえも開いてしまうかつてのパワーがなくなっていた。タブーに挑戦するというのは確かに胸のすく試みだが、それは人の心にコミットするものではない。『ガーリーショウ』のステージに至っては、破壊力どころか自分の心さえ固く閉ざしているかのようで、スターの孤独とはなんと人間を変えるものかと思ってしまった。
で、2年ぶりの本作。脱セックスを宣言した彼女の新しい戦略は「ロマンス」である。
むおーっ、なんと安置、これ以上過激になれないからって適当なところで手を打ったか、と思う人もいるかもしれない。でも、以前のパワーを失った彼女が、過激さという外壁の力を借りることなく(厚化粧は目にあまるが)もう一度人の心の柔らかい部分に触れようとしているのは、なんだかほっとさせられる。
ネリー・フーパー、ダラス・オースティン、ベビーフェイス、デイヴ・ホールといったR&B系の腕ききが、派手なところはないが温かなサウンドで手堅く聴かせる。アンビエント風のタイトル曲(ビョークとフーパーの共作)も全体をしっとり抑え気味の音に不思議とハマっている。ベビーフェイスも好演。
「セックスを歌ってどこが悪いのよ」などと強気も見せながら、内省的な歌詞には哀愁が漂う。「ロマンス」といっても、秋の時代に入ったマドンナの恋はもう爆発することはなく、ひたすら物悲しいのだ。
必然性に乏しい。けれど聴きやすいアルバム。
★★★☆☆
「エロティカ」でコンセプト&サウンドが先鋭化しすぎてセールスを落としてしまったため、慌てて路線変更したアルバムですね。シングルカットされたSecretなど良い曲もありますが、残念ながら慌てて制作したのが見え見えで、中盤は捨て曲だらけになってしまいました。
このアルバムに関しては「いまこの曲を歌わなければ死んでしまう」というような必然性を持った曲がほとんどないのが、良くもあり悪くもあると思います。「エロティカ」は間違いなく「いま歌わなければ死んでしまう」という一世一代の必然性を持ったアルバムで、だからこそ激しい賛否両論を巻き起こしつつも「これこそマドンナのベスト作品」という人も多かったです。ですが、このアルバムは違います。セールスを重視してポップなR&B路線に移り、キッチュでキャッチーな曲もあって、気軽に聴ける作品だと思います。でもそれだけ。残念ですね。
素敵な、粋な一枚
★★★★★
BLACK MUSIC系が主流ですが、かなりカッコいい☆『Human Nature』、『Foqbiden Love』なんて凄すぎる(>_<)DALLAS AUSTIN担当の『Secret』もサイコー、でも特にBabyfaceが作る歌はLOVEでした♪『Take A Bow』…良すぎました(;_;)悲しい歌です(;_;)マドンナの書く詞はやはり良いです☆
『Erotica』辺りから自分的に大嫌いなフェードアウトが少なくなったので(^ー^)嬉しいです(笑)
売れ線だけど悪くない
★★★☆☆
エロティカが商業的に大失敗して空回りしてしまったのであわてて売れ線R&Bプロデューサーを起用して売りに走ったアルバム。そのため売れ線売れ線といわれてファンには評判が良くないとか。でもSurvivalとかHuman Nature とかスピリチュアルな名曲も入ってて悪い出来じゃない。ただこの人のアルバムって捨て曲が必ず入るのがなんだかなあという感じ。こんな曲いらないだろっていうのが何曲かある。ビョークが一曲参加していてさすがに初期のこのころのビョークらしくなんか野性味あふれる曲になっています
今のブリトニーやアギレラの基礎をつくった人だが・・・
★★★☆☆
今の白人若手R&B系アイドルの原点はあきらかに彼女ということを再確認できる。ただ、やはり当時だとやはりR&Bだとどうしてもジャネット・ジャクソンの方が楽曲も歌唱力も全然上なのは認めざる終えないし、このアルバムの楽曲は他の作品群に比べて特別ポップでも斬新でもないし、ましてや彼女のキャリアで物凄く重要な作品ともいえない。マドンナファンなら買ってもいいかもしれないが、そうではない一般リスナーが絶対買うべきとはいえない。