新世紀になって、ポップス界の最先端にいたマドンナが変わった。母なる大地を思わせるような『Ray Of Light』を発表し、そうした音楽をダンスミュージックに取り入れようとした。その集大成である『Music』は、なじみのある曲と『Amazing』と『Runaway Lover』のような挑戦的な新曲との両方が収録されている。『Ray Of Light』で聴かれたアップテンポの曲もあり、『Impressive Instant』や、タイトルにもなっている『Music』はダンスミュージックに近い。『Ray Of Light』をプロデュースしたウィリアム・オービットも制作に加わったが、ほとんどの曲はフランスの奇才ミルウェイズがプロデュースし、独自の「Gallic House」の方法を取り入れてボコーダーを使って、マドンナの声をボーカルというよりはインストゥルメンタルに聴こえるように加工した。『Ray Of Light』には温かな母性が感じられたが、『Music』は明らかに恋する女性の音楽だ。それが最も良く表れているのが『I Deserve It』で、出だしの「This guy was meant for me」というフレーズは、明らかに第二子の父親であるガイ・リッチーに捧げている。スローな曲とアップッテンポの曲がバランス良くミックスされ、すべての曲を新しいスタイルで挑戦しているこの『Music』は、マドンナが未だに誰よりも先に進んでいることを明らかにしている。Helen Marquis
ポップであり続け、進化し続けるマドンナ
★★★★☆
マドンナの新作を聴くたびに思う事がある。それは彼女は決して同じ事は繰り返さないし、常に前進する。
前作Ray of Lightの緻密で重厚な音作りから、一皮むけて突き抜けた感のある今作は実験的かつミニマルなサウンドで固めてあるがあくまでもポップだ。前作が全体的に統一されたサウンドだったのが、今作では一つ一つのトラックが個性的なサウンドで曲調が次々と変わるため全体的にカラフルな印象を受ける。
全体的なクオリティは非常に高い。ただし、数曲を除いて、地味で印象が薄いトラックがこれまでになく多いのが残念。アルバム全体の流れとして非常に尻すぼみに感じた。(マドンナのアルバムは前半に強力な曲が並び後半が弱いものがかなり多いがこれは特にそういう印象を受けた。)またAmazingとかはBeautiful Strangerの焼き直しみたいに聞こえるのも残念...曲数が少ないので余計に残念に思えるのだ。
個人的なオススメはR&Bをベースに妙にアバンギャルドでミニマリストなMUSIC、アコースティックかつ実験的なアプローチのDon't Tell Me、エレクトリックな音のレイヤーが美しいポップな名曲What It Feels Like For a Girlなどだろうか。
いまいち
★★☆☆☆
前作がとても良かったので買ってはみたものの
数える程しか聴いてない。。。
シングルもPVの映像がないと退屈な曲ばかりで
好みの問題かもしれないが駄作。
カバーのアメリカンパイとGoneは良い出来。
Electronica
★★★★★
ボコーダーをふんだんに使用したエレクトロニカサウンドで固めたマドンナ。時代の変化に敏感な彼女らしい判断。まあなんだなこのへんのサウンド=ハウス、トランスのへんはもうとんでもないことになっているので、拒否反応を示す人も多いのではないのか。エレクトロニカを受け入れることができれば、このアルバムはかなり楽しめるものになるだろう。だがしかしアシッドハウスがいったいどんなサウンドなのか想像がつかない人はやめたほうがいいだろう。サウンドの完成度は高い。
10点中8点 近年ではかなりよい方の部類。
ちょっと憂鬱な気分
★★★☆☆
最近のマドンナは聞いていると憂鬱な気分になるような曲が多い。ハイテクとアコースティックが融合したような奇妙な音作りも原因だと思うが、マドンナ特有のポジティブなイメージは、もはや過去のものになりつつあるような気がする。ポップなAmerican Pieも入れるなど一応のヒット対策もしているようだが、この曲だけ浮いている気がする。
さすが
★★★★★
誰が何といおうとこれは私の中で名盤です。マドンナにトランスなんてできるの?と思っていましたが、彼女だからこそできたのかもしれない。乾いて薄い、それでいてガーリーかつコケティッシュなボーカルは、歌唱のどうのこうのではなく、むしろエレクトロニックな楽器のひとつとして曲中に組み入れられてます。プロデューサーとの相性がよかったのでしょうか?最高の雰囲気をもったアルベムに仕上がっています。やはりマドンナはいつの時代でも先端を歩いていくのですね。