ひとつひとつが珠玉の出来だ。
繊細で大胆、都会的でされど独特のグルーブ。
84年発売…26年の時を経て今聴いても心地よく響くのは何故なんだろう…
遊び心満載なリズム、洗練されたホーンセクション、効果的なストリングス、
締める所はしっかり締め、伸びやかな広がりの傍らタイトな感性…
そのどれもが見事に調和し開花している。

夏の夕暮れ、冷えたBeer片手にこのアルバムを聴きながらベランダに下りてみる。
真昼の喧騒や暑さを忘れさせるように頬に吹く風が心地いい。
見上げればどこまでも続く茜雲…少し贅沢な気分で激務に疲れた体や心を癒してくれる。

音楽が持つ本来の魅力が確実に有るアルバムだろう。

青木智仁、浅野祥之と戦友を失った角松だが、
彼の原点がこのアルバムに有る限り彼は自分の歩むべき道を決して見失わないだろう。
それ程までに完成度の高いアルバムだと感じる。

シンガーソングライター、アレンジャー、プロデューサーとして、メディアに過小評価されてるアーティストはいないと言っても過言ではない。勧められ、まー聴いてみるかって、もうハマりまくりで未だに色褪せず。

深夜の高速道を疾走する感じ。
とはいえ、車高の低いクルマで騒音を撒き散らかしながらではもちろんなく、ヨーロッパのスポーツカー（英、独ではなくイタ車かな）でアクセルには余力を残して。
バラードの名曲「Will You Wait for me」とか「I need you」もあるのですが、全体のアルバムの印象はスピード感です。E.ベースの使い方が特にかっこいい。

若い人には角松さんは「Wa　になって踊ろう」を作った人というと印象が強いのかな。
2007年の今聴いても全く色あせていません。

冒頭の「IF YOU...」から期待を裏切りません！カッコいいの一言に尽きる。「STEP INTO THE LIGHT〜AFTER ５ CLASH」「NEVER TOUCH AGAIN」もヒップホップ、ファンキーなベースが躍動感を醸し出している。エンディングの「HEART DANCING」は、おちゃらけながらもストレートな歌詞とメロディーが良く、お祭り気分に浸れる。

角松BANDのスーパーベーシスト･青木さんが好きなので、ほとんどのアルバムは聞いてます。
このアルバムでも青木さんのファンキーなベースプレイが存分に堪能できます。
特に後半(アナログ盤ではＢ面)は鳥肌が立ってしまうほどのウルトラフレーズのオンパレードです。
｢Never Touch Again｣なんか、イントロに入る前からベキベキとチョッパーを聞かせてくれてますよ。途中のベースソロではチビりそうになりました。
ホーンもビシバシ効いててEVEさんのコーラスも良いですし、もう最高じゃないですかね？
前２曲(Step Into The Light〜After 5 Crash)から続く、ストーリー性のある展開もGoodですね。最高に気持ちいいアルバムです。
20年前の作品にも関わらず、いまだに新鮮さを失っていない貴重な作品ですから、
とにかく聞いてみてください。