夜にシェードを閉める本当の理由とは・・
★★★★★
長距離飛行のとき、夜間帯に窓のシェードを閉めるよう
CAに指示されます。これはマナーの面もあるのですが、
本当の理由は「見つからないため」という都市伝説が。
どうやらモトネタは「大空の恐怖」のようです。
高空に棲息する肉食浮遊生物群。
「ウルトラQ」の一話としても通じる発想。
石坂浩二にやってもらいたい。
「夜に高空を飛ぶとき、けっして日除けを上げて、夜空を見ようと
しないでください。あなたは恐ろしいものを見るかもしれません。
それは空飛ぶ円盤でも雲でもなく、あなたをじっと見つめる無数の目です。
ほら、雲のようなものが近寄ってきませんか?・・おやすみなさい。」
これほどの秀逸なコンセプトにフォロワーが皆無なのは残念。
これを読んでから、私はシェードをちゃんと閉めるようにしました。
追記:そういえばバルンガのモトネタも、ロバート・シェクリィ「ひる」だった・・
殺人のない物語もたくさん書いて欲しかった
★★★★★
短編なので、通勤電車で読むのによい。
ちょっと怖い話なので、一人っきりで読むより、電車の中の方が嬉しい。
長編の文庫を電車で読んでいると、終点までに読み切らないと、どうしても、お昼休みが待ち遠しくなってしまう。
短編は、ちょうど通勤電車で読み切れる長さなので嬉しい。
シャーロックホームズがでなくても、
シャーロックホームズの話とどこが相似か、どこが対称的か、
どこが類似の題材かなどを考えながら読んでいると面白い。
できれば殺人がない物語が嬉しいのですが。
意外な掘り出し物
★★★★★
新潮文庫版「ドイル傑作集」は3冊からなり、これはその3冊目「恐怖編」である。私は第2集「海洋奇談編」で内容の退屈さを嘆き、すでに読み始めていた本書についても「印象は変わりそうにない」と書いたのであるが、すべてを読み終えた今、これを反省とともに訂正しなければならない。
既に最初の「大空の恐怖」でその幻想美に魅了された私は、最近不作続きであった読書に久しぶりの喜びを見出した。その他の短編も、アイディア自体は比較的単純であるが、ここでは穏健さをかなぐり捨てたドイルのストーリー・テラーとしての資質が十全に発揮されている。古めかしい訳文も雰囲気作りに一役買っており、佳品揃いであるといってよい。ホームズものすべてを含めても、本書はドイルの作品集中「シャーロック・ホームズの冒険」と双璧をなすのではなかろうか。
The Terror!
★★★★☆
高度4万フィートに巣食う怪異、入り組んだ洞窟の奥に潜む怪物、そして復讐譚の数々。モンスターものも面白いが、ドイルの残虐趣味がよく出た短編集だ。
収録作品は以下の通り。
大空の恐怖
革の漏斗
新しい地下墓地
サノクス令夫人
青の洞窟の怪
ブラジル猫