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イタリア紀行(上) (岩波文庫 赤405-9)

価格: ¥994
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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国を政り、世界を謳い上げる ★★★★★
総理がすぐ退陣したり、また変わりそうだというニュースを聞いてたところ、何故かゲーテを
思い出してしまいました。

ご存知の通り、ゲーテは大文豪であり、科学者であり、哲学者でもある賢者ですが
彼は政治家としても卓越した手腕を発揮しています。

若干26歳の時に当時ドイツの小公国だったワイマールに招かれ、宰相(日本で言う首相)として、
10年にわたり政務に没頭します。そして産業振興、文教政策に力を注ぎ、ワイマールの発展に大きく
貢献しました。そしてその功績をドイツ皇帝に認められ貴族に列せられ、
ヨハン・ヴォルフガング・”フォン”・ゲーテと、貴族の証であるフォンを名乗る事を許されます。

このように見事な業績を成し遂げたゲーテですが、ワイマール時代は長きにわたって
人妻と不倫をしており、そしてあるとき行き先も告げずに、宰相職をほっぽりだして
イタリアに旅に出てしまいます。

この作品は、仕事を放棄してイタリアに行ったゲーテの紀行文です。

ローマに入り、そこからナポリ、シシリーと2年間に渡りイタリアを旅したゲーテは
既にウェルテルでヨーロッパ中に名を知られた有名人でしたが、素性を隠して旅を続け、
イタリアの太陽の下、都市や村、自然、市井の人々とのふれあいを心から満喫し、
そして忘れかけていた詩人としての感性を呼び覚まして、この紀行文を美しく活力溢れる文章で彩ります。
おそらくイタリアについて書かれた作品としては最高の一つに数えられると言えるでしょう。

こうして身勝手な放蕩の末ワイマールに戻ったゲーテですが、人々は彼の帰国を切望し、
再び宰相として政治の世界に戻ります。

わが国の首相は失意と批判の中職を去り、一方は喝采を持って再び首相として迎えられる。
この差は一体何なのでしょう。これが冒頭で私がゲーテを思い出した理由です。

そもそも比較する対象のスケール感が違いすぎるのかもしれませんが、やはり人が政治に
求めるものは共感できる信念、実行、そして結果を出すことなのだと思います。
そしてそうした力ある人に対しては、多少の問題があったとしても人々は受け止める事ができる
ということなのかもしれません。

国を政り、放蕩し、世界を謳い上げる。これぐらいの人が日本現れないかと思うのは、少々欲張りすぎ
なのでしょうか。
イタリアから帰ってきてから読んだ ★★★★★
ゲーテが明るい陽光にあふれるイタリアに憧れて旅をする。ドイツからオーストリア国境を超えて、イタリアに入る。その経過の苦労がしのばれる。日記形式のように、わかりやすい文体で翻訳されている。
イタリアが統一される前の姿が描かれており、興味深い。時を経ても、ゲーテが訪れたときと、今もなお変わらぬローマの姿には感慨を覚える。私がローマを2度目に訪れたときは、ゲーテの街のまわり方を参考にして歩いた。カピトリーノ美術館の収蔵品に関する記述を読んで、自分自身も同じ感想を持ったので、非常に感動した。
ナポリ王国時代の国王を記述した個所も南イタリアやシチリアの所も楽しめた。
イタリアの古い都市やシチリアは、ゲーテが訪れた時代とほぼ変わらぬ姿を今もとどめている。本書は、歴史に興味があり、一度でもイタリアに行って、イタリアの魅力にはまった人達の方が、楽しめるかもしれない。
古い本ではあるが、一気に読んでしまった。
意外に古くない ★★★★☆
 1786-88年にイタリア旅行を行ったゲーテが、1816-17、29年に旅行記としてまとめたもの。旅行の際につけていた日誌や書簡を下敷きにしてはいるが、30年たっての刊行ということもあり、ずいぶんと手が入れられていて、フィクションに近い部分も少なくないらしい。
 上巻はドイツを出発してから第一次ローマ滞在まで。パラディオの建築で有名なヴィチェンツァ、聖フランチェスコのアッシジなど、現代ではマイナーな土地の観察が面白い。ヴェネツィアやフィレンツェには比較的冷ややかで、ゲーテの独特の感性を垣間見せてくれる。
 イタリアへの憧れと現実、教皇や一般のカトリック信徒への視線にも、北方人であるゲーテの複雑な思いが映し出されていて興味深かった。
 この時代に書かれたイタリア旅行記としては最高のものであろう。
 翻訳が出たのは1942年だが、思ったほどの古さは感じられなかった。名訳。
ゲ-テのイタリア紀行 ★★★★☆
ゲ-テの体験したイタリア旅行の記録である。註があまりにも多くて
読むのに骨が折れることと今日イタリアを旅行する者にとっては参考
になることはほとんど書かれていないことを除けば、第一級の旅行記
として大変おもしろく読める。

訳文は古臭く感じる人もいるかもしれないが、なかなか名文であると

思う。本書を読むとゲ-テの人となりがよくわかるような気がしてく
るから不思議である。