生活が見えます
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お姉さんに電話をしているような、携帯メールをしているような、200年前でもまったく私たちと変わらないんだ・・とオースティンが身近に感じられます。こんな形のレースを買った、と絵が描いてあったりして、どんな洋服がはやっていたのかな・・と想像すると楽しいです。ジェイン・オースティン ファッションこの本を見ると、手紙の内容がはっきりします。
意外と辛口、そして家族思い、まさか手紙を読まれるとは思っていなかったでしょうが、本人の人となりが伝わってきます。翻訳も読みやすいです。抜粋ではなく全部翻訳してほしい!
作者の心情がわかる
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主にジェーン・オースティンが姉カサンドラにあてて書いた書簡集です。
ただ、オースティンが書いた手紙すべてが載っているわけではなく、
オースティンの死後、姉たちが処分せずに残してあったものだそうです。
当時の社会背景などが描かれているわけではなく、しかも処分されずに残されていたものであり、
さらに当時は、届いた手紙は家族などに読んで聞かせるという風習があったために
あまりショッキングな内容などはありません。
それでも偉大な作家ジェーン・オースティンが書いた手紙を読むことができるという
貴重な体験ができることに間違いはありません。
19世紀英国・中流階級の生活
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『高慢と偏見』『分別と多感』などの名作を生み出した
オースティン女史の“生声”集。
19世紀英国、中流階級の暮らしぶりや思考、
文化、人々の生き様が小説と同じように活き活きと
伝わってくる、貴重な読み物です。
兄妹も多かったオースティン女史は、友人だけでなく、
親類も多いことから、様々な家の人々の付き合いがあったのですね。
でもどれもが「紳士(ジェントリ)クラス」で、「貴族」の人々はほぼ皆無です。
貧困とは無縁、けれどもそこまで派手でもなく、といった
落ち着いた生活の雰囲気が読み取れます。
オースティンが生きたジョージ朝は、この後に控える
ヴィクトリア朝とくらべて、とてもおおらかな世相でもあり、
彼女自身のほほんな田舎暮らしもしていたこともあって、
何かに切羽詰ったり、ひどく考えさせられたり、という
ストレスが全く感じられません。
よってオースティンの作品は、とりたてて大きな出来事があるわけではないが、
日常の生活、その流れそのものが「物語」と化す、
かつ決して飽きることない、普遍的な物語として確立されているのでしょうね。
挿絵もかわいらしく、今にも通じる女性のファッションが満載。
「かわいい〜」と漏らしてしまうほどで、この点でも読み応え十分。