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パロール・ジュレと紙屑の都

価格: ¥2,205
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
Amazon.co.jpで確認
うーん ★☆☆☆☆
題名と、紙魚となって本伝いに移動する諜報員…という言葉に惹かれて手に取りました。
本が登場する本が好きなので。でも期待はずれ。
が、ストーリーはあってないようなもので面白くなかったです。
文章を楽しむ本かな?独特の言葉遣い等はちょっと面白いかも。
これは、誰の物語なのか ★★★★☆
言葉が凍る国キノフ。
<離別>によって分断された国々の間で、ゲームのごとく繰り返される諜報活動。
冒頭クールに語るのは、凍る言葉「パロール・ジュレ」の秘密を探る諜報員、11番目のフィッシュ(紙魚) と呼ばれる男。
フィッシュとは、本の中へ「潜航」し、字間を彷徨い、登場人物とコンタクトし、姿を借りて(奪って)本の外へ「再登場」(この仕組みが既によく分からない)。
キノフで暗躍する人々の怪しさ、複雑さ。
パロールジュレを解き放つ「解凍士」たちの孤独と誠実さ。
彼らが語る短いセンテンスは、お芝居のよう。
そんなファンタジックなディティールの繰り返しかと思いきや。
辣腕刑事が語るとき。
諜報員が語るとき。
散漫なこの世界が、ひとつの歴史を持った現実だった、と気がつく。
人々には思惑があり、目的があり、あれやこれやは手段だった。
それまでも不穏な歴史は語られていた。
翻弄されてきた人々の歴史は共通していた。
個々の登場人物の過去や述懐は、キノフの史実に沿っていた。
さぁ、これからどうなる?
ストーリーも後半に入って、そんな高揚感に包まれました。
面白く、セツナイお話です。
言葉を巡る冒険の先に有るものは… ★★★★☆
 〈離別〉という災厄を経て小国家が分立する世界(EU崩壊後の欧州なのか?)にある街キノフ。
そこでは独り言が凍ってしまう(タイトルは「凍った言葉」の意を持つ仏語)不思議な現象が。
それを探る為に諜報員として送り込まれた主人公。

 彼は本の中に入り込むことで、本の中に居る人と同期し、己を変えることが出来るという能力を
持っている…

 「言葉が凍る」(寒いダジャレではありません(笑))、欧州っぽい街を舞台したストーリー
登場人物の機微や世界観を伝える筆力等が見事に昇華して、独特の世界観を構築することに成功
しています。久々に小説を読んでいて、次のページが気になりましたし、先述したように世界観を
しっかり構築できているので、(これは読者それぞれのイメージになるでしょうが)絵や音
更には登場人物の声が次々と脳内で再生されます。

 冒険&謎解き物の体裁を取っているので、ネタばれ防止のため仔細は省きますが、個人的には
言葉を巡る冒険心の揺れ、そして言えぬ○○を描いた一作かと。

 パロール・ジュレの秘密、そしてその先に有るものを御確認下さい。

附:出来るならば紅茶とケーキやクッキーなどをお供にして読み進めると、より世界に入り込める
  かもしれません。それこそ主人公のように…
なぜ言葉が凍るのか? ★★★★★
パロール・ジュレと呼ばれる凍った言葉を巡る物語。

言葉が凍りついて結晶になるという北の街、キノフ。何故この街では言葉が凍るのか?
その謎に魅せられて次々と現われる登場人物達。
書物を渡り歩くフィッシュと呼ばれる諜報員、彼を追いかける刑事、水晶の目を持つ謎の女性。
凍った言葉を解く4人の『解凍士』。
彼らの過去や思惑が複雑に絡み合い、繋がり合って、最後に1枚の美しい織物が出来上がるようなストーリーに
わくわくしながら読み進めました。

吉田篤弘さんの描く世界は、ファンタジーとリアルの狭間にある、どこかにあるようでない街。
すぐそばにあるようで、遠いどこかのようで、懐かしい過去のような、未来のような不思議な世界です。
そしてこの作品には、凛とした透明さと、生きていく上で生じる生臭さ、とのどちらをも感じます。
この2つは一見相反するようで、でも光と影のように切り離せないモノなのだろうと思います。

是非、パロール・ジュレの謎を追いかけてみて下さい。