70年代のフレディ・ハバードを代表するCTIレーベルの名作が,録音の神様,ルディ・バン・ゲルダーのリマスタリングで復刻。フレディの熱を帯びた奔放なプレイにハンコックのエレクトリック・ピアノが絡む,フュージョンに向かいつつある時代の空気を捉えた作品。それゆえ、「ダサイ」と感じる向きもあろうが、実はいまに通じるクールなサウンドもしっかり捉えられているから、ジャズは奥が深い。(Swing Journal 2009年12月号)
パワフルに展開するハバードの70年サウンド
★★★★☆
レビュー対象商品: Red Clay (CD)
最近になって妙にハバードの全盛時代のアルバムを聴きたくなってきた。テクニックと受け狙いのショービズムに批判が集まりがちなハバードだが、今となっては貴重な個性を持ったトランペッターだったといえる。現在ハバードクラスのテクニックを持ったトランペッターは何人かいるだろうが、彼のテクニックはやはり時代の中で醸成されオリジナリティに満ちた音楽性とサウンドを持っていたと考えるべきではないだろうか。ジャズメッセンジャーズ時代のつぼにはまったときの恐るべきパワーとひらめき、ブルーノートに残されたやや前衛的な突っ張った新主流派とフリーが混在した斬新性。そして70年代に入ってからのエイトビートとエレクトロニクスをバックに展開したポピュラリティ。これらは彼の音楽へのあくなき好奇心と多面性の表れであり、単なる器用貧乏などではない。このアルバムもCTIのクリード・テイラーのプロデュースによる一連の商業的企てに寄与した作品であるのは確かだ。だが、そこにはハバードでしかなしえないパワフルで色彩豊かな70年代サウンドが展開されている。バックを務めるハービー・ハンコック、ロン・カーター、レニー・ホワイトは超一流だし、フロントのサックス、ジョー・ハンダーソンも申し分ない共演者だ。このオールスターによる70年代サウンドをさらに聴きなおすことは決して無駄ではない。
パワフルに展開するハバードの70年サウンド
★★★★☆
最近になって妙にハバードの全盛時代のアルバムを聴きたくなってきた。テクニックと受け狙いのショービズムに批判が集まりがちなハバードだが、今となっては貴重な個性を持ったトランペッターだったといえる。現在ハバードクラスのテクニックを持ったトランペッターは何人かいるだろうが、彼のテクニックはやはり時代の中で醸成されオリジナリティに満ちた音楽性とサウンドを持っていたと考えるべきではないだろうか。ジャズメッセンジャーズ時代のつぼにはまったときの恐るべきパワーとひらめき、ブルーノートに残されたやや前衛的な突っ張った新主流派とフリーが混在した斬新性。そして70年代に入ってからのエイトビートとエレクトロニクスをバックに展開したポピュラリティ。これらは彼の音楽へのあくなき好奇心と多面性の表れであり、単なる器用貧乏などではない。このアルバムもCTIのクリード・テイラーのプロデュースによる一連の商業的企てに寄与した作品であるのは確かだ。だが、そこにはハバードでしかなしえないパワフルで色彩豊かな70年代サウンドが展開されている。バックを務めるハービー・ハンコック、ロン・カーター、レニー・ホワイトは超一流だし、フロントのサックス、ジョー・ハンダーソンも申し分ない共演者だ。このオールスターによる70年代サウンドをさらに聴きなおすことは決して無駄ではない。
まさに渾身の1曲「Red Clay」
★★★★☆
1970年録音のフレディ・ハバードのリーダー作。まず何といってもサイドメンの豪華さに
目がいく。ジョー・ヘンダーソン、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、レニー・ホワ
イトと、まさに文字通りのオールスターキャストだ。
内容は、最高に劇的で、最高にカッコいい「Red Clay」がたまらない。
情熱的で豪華なイントロから始まり、気合入りまくりのトーンで、自在にアドリブをくりだし
まくるフレディ、テンポを加速させ展開していくクールでなめらかなハンコックのエレクト
リック・ピアノ、細かい事なんて気にせずブロウしまくるヘンダーソン、もうさすがとしか
言いようがないカーターに、強いビートで曲を盛り上げるホワイトと、一流のプレーヤー達が
渾身の力を振り絞って一つにぶつけてるのが伝わってきて興奮する。
特に曲後半、ハンコックのソロが終わったあと、ヘンダーソンがブロウしまくってる所に
「負けるか!」と言わんばかりに(笑)、後ろから鋭いアタックをかましまくるフレディの
雄姿がカッコいい。それに感化されてヒートアップするリズム陣と、もう劇的としかいいよう
がない、本当にドラマな名演だ。
うって変わって[2][3][4]なんかは、いかにも70年代的なエレクトリックでジャズロックっぽい
聞き易いナンバーが並ぶ。特に[3]なんかは、まろやかで好きだな。ホワイトによる一分間もの
長いドラムソロもスマートで洗練されてる。
総じて聞くと、60'sの熱気と、70'sのセンスの良さが両方詰まってて、良い所どりの、おいし
さがあるが、人によっては少し物足りずお腹いっぱいになれないのかも。
ただ、しつこいようだが、タイトル・トラックの「Red Clay」は、ハンパなくカッコいいので
この1曲の為に購入しても絶対後悔しないと思いますよ!
クロスオーバーとして楽しむなら○
★★★★☆
ジャズにおける試練の時代、70sの幕開けと共にそのスタイルをジャズからクロスオーバー的なそれにシフトさせたF.ハバード(tp)が'70年にリリースした人気盤が本作。その位置づけがジャズファン(F.ハバード・ファン)にとって良かったのか悪かったのか。。。
人気盤ということは、それだけ(ジャズというフィールドだけでなく)幅広く市井に受け入れられてたということでしょうが、感触的にはストレートなジャズ作品ではないと言えるかと思います。
偉そうな事を言えた義理はありませんし、それ程深くジャズを聴き込んでいる訳でもありませんが、私自身も本作を聴く際にはH.ハンコックのp/el-pやJ.ヘンダーソンのtpに耳を惹かれる部分の方が多いように思います。ボーナストラックでのG.ベンソンのg、B.コブハムのdsも非常に耳によく響きます。
#それとて、正しい聴き方ではないのかも知れませんが。
F.ハバードという名手を貶している訳ではなく、そのスマートさやセルフコントロールの上手さが、ある意味、ファンから見た時のねたみになってしまうのかも知れません。
ハバード節全開!!
★★★★★
ハバードのアルバムは過去に何度か裏切られた思いがあったので、人気作ながらいつかは聴こうと踏み切れなかったんだけど…。
カッコイイじゃないですか!『Red Clay』はやはり名曲だし、ハンコックのエレピも素晴らしい。『The Intrepid Fox』のテーマが終わってから間髪入れずに飛び出すハバードは最高です。他にも『Delphia』のようなゆったりとした曲でもハバードの美しいトランペットが聴けるし、6曲目のライブではジョーヘンも熱い!・・・がっ!?最後のほうでハバードかましちゃいます。まぁらしいといえば、彼らしいですが。
つまりハバード節が全開で、ロックやファンク好きな人にもお薦めな必聴の名盤です!!