スタジオの魔法使いジェフ・バロウとシンガーのベス・ギボンズによるコラボレーションである本作は、『To Kill a Dead Man』という短篇の犯罪映画と同時期に製作され、映画と同じアプローチ――陰うつで、苦しく、非常にメロドラマチック――が全編に行き渡っている。「Sour Times」(このヒット曲でギボンズは「誰も愛してくれないけれど、それは本当のこと」と繰り返し叫んでいる)とさらに謎めいた「Glory Box」はアルバムのかなめであり、サウンドを決定づけている。暗い閃光を放ついにしえのソウルミュージックと映画音楽、非人間的なエレクトロな電子音、ギボンズが見せる気恥ずかしさに身を焦がすような感情、バロウのかつての共演者マッシヴ・アタックを生んだブリストルの音楽シーンのセクシーなスローダンスから取り入れたベース・ビートの脈動がそうだ。(Douglas Wolk, Amazon.co.uk)
暗さの感覚
★★★★★
昼前だというのに真っ暗な部屋。
空には重く垂れ込めた灰色の雲。
窓には打ち付ける雨粒。
そして古く汚れたソファに凭れ掛り、
部屋の中からそれを見ている女性…
そんな画が浮かんできそうな一枚。
暗美遠音
★★★★★
3rdから聴いたのですが彼女達のルーツを探るべく購入。結果中毒。
1st2ndの方が個人的には好みです。ヒップホップから派生した僕の音楽脳はやはり重たく煙たい音に反応するようで…ジェフのビートセンスは黒人には創れないモノ。エミネム然りアンチコン然りビルラズウェル然りとかく白人の叩き出すループは何処と無く共通項があり特にヒップホップベースの音楽なら尚更、生ドラムを上手いこと再構築していてそれでいてソコにスティックを持ってビートを刻むドラムマンが見えてくる。しかも日本人と好みが似ているのかキックスネアの重さが絶妙。(僕のツボだからでしょうか?)
そのビートに絡むローズの鬱な旋律やピアノのうらぶれ感はひたすらゴシック。退廃的、内省的、形容するならそんな言葉が合う。しかし其れだけなら僕はビビビとは来なかった!やはりベスの悲しげでアバズレ感たっぷりの歌声が加わってこそ成り立つ彼らの音楽性は唯一無二。伊達にジャズシンガー歴10年ではナイ。暗いのに尖ってるメロディーラインは一度聴いたら病み付きです。
トドメにライブでタバコをふかしながら歌う彼女にグッと来たので★5つ!とりあえず聴け!!
祭りの後…
★★★★★
ブリットポップブームが過ぎ去った後、現れたブリストルサウンド。全体的にダークな印象でサウンド的にはダブ、ヒップホップ、エレクトロ、ロック等。ファーストにして完成度が高い大名盤。レディオヘッドが自分たちがしたいサウンドを先に形にされたと大層くやしがったそうな…。マッシヴアタックは知っていてもポーティスヘッドを知らないという方が多い気がするのでブリストルサウンドが好きな方はぜひ。夜のドライブや疲れたときなどは特に体にしみ込んできます(笑)
いいですね
★★★★★
セカンドアルバムから聴き始めた自分ですが、今のところオリジナルアルバムが三枚出ているのでファーストも購入
結果は大満足
甘ったるいこの声、深い深い闇に沈んでいくような快感
病みつきです
名作
★★★★★
MASSIVE ATTACK周辺でDJとしての活動をスタートしたGeoff Barrow<dj>とジャズシンガーとしての10年の活動を経て参加したBeth Gibbons<vo>から成るユニットPORTISHEADのデビュ―アルバム。DJミュージックの手法で作られているわけだからHIP HOPと呼んでおかしくない音楽だし、HIP HOPならRAPでなければならない、というキマリもないのである。逆転の発想により歌の素晴らしさが心に染み渡る超絶名盤。歌が素晴らしい、というのは純粋に楽曲が良いということである。難しく考える必要はない。良いメロディを求める人は皆聴いてみてほしい。クライ音楽が好きならば必ずや気に入ってもらえるはずである。日本では12曲目Glory BoxがLEVI’SのCMで使われて話題となったが、個人的には6曲目It’s A Fireが死ぬほど好きだ。クラさの中に一条の希望の光が差し込んでくるような、そんな名曲。