レコード時代からシンプルな録音でステレオ感なんか気にしなかった、殆んどモノに近い録音だった本盤を何故にサラウンド仕様にしたのか、勿論ないよりマシなのだけど、ならばもっと他のステレオ録音盤もそうして欲しかった。
「ブロンド」なんて、普通のステレオ装置で初めて聞いた時プレイヤーが勝手にサラウンド設定を選択したのでディランのヴォーカルが聞こえてこなかったのにはびっくりした。カラオケを買ってしまったのかと思ったね。
それでこのアルバムも何が起こるかと思ってサラウンド仕様で聞いたけどあんまり変化はなかった。この辺り何か意図があったのかちょっとした疑問に思っている。でも、音楽はやっぱり満点!
自分の中に芽生えた新しい部分に目を向け、そこに向けて走り出すことが、生きる喜びを与えたくれるのだ、ということを教えてくれる、ディラン魂の1枚。
…ああ、あのとき私は年老いていて、今はあのときよりずっと若い。