生き方のヒント
★★★★★
九つの中短篇が収められていますが、どの作品にもおもしろい個性を持った人間たちが登場します。私が思ったのは、誰もがこの中に多かれ少なかれ「自分」を見出すであろうということ。
なまじっかな恋で誰かを傷つけたことはありませんか? 誰かを失ってからその大切さに気付いて後悔したことはありませんか?
事なかれと自分の殻に閉じこもっている人、理想を尊ぶあまり損ばかりしている人、はたまた早急なニヒリズムで人生を捨ててかかってる若いあなた!
「人の一生とは長えもんだ―まだまだいいことも、悪いこともある、いろんなことが起こるよ。」
世紀末のデカダンスの中でも人生を前向きにとらえ、人々を勇気づけてきた作者の言葉の数々は、今なお私たちの心の灯火たりうるものです。訳も自然で読みやすく、オススメです。