幽・遊・白書 14 (ジャンプ・コミックス)

トンネルのある町 ★★★★★

魔界の穴 ★★★★★

この巻の内容は、魔界の穴を開けようとする首謀者の発見、
それからは敵に先手を取られ続ける主人公達。
敵の凡その情報は得られたものの、未知の能力相手、
そして相手が人間だということに戸惑いながら戦い続けます。

敵の「ドクター」の人間に対する嫌悪、
同じく敵の「シーマン」の、「存在していることへの罪悪感」は、

少しでも自らの心の淵に触れた人ならば、きっと共感するでしょう。
でも、それだけではない、人間の善悪両極面をちゃんと見せてくれますので、
安心して読んでください。

ヘンに哲学的。 ★★★★☆

この巻を読むまでは、幽白は他の少年漫画と同じ様なものだと思ってました。でも、この仙水編からは、狂ってきてる。いっちゃん出てるし、こいつら、なんかヘンだぞ？と、子供心にドキドキしながら（するなって・笑）読んだのをおぼえてます。多分、「レベルＥ」の次に先生らしい漫画が、これ。
私は、戦争や人体実検のドキュメンタリーを観ては夜寝れなくなって、電気をつけたまま布団にくるまり、ふるえながら寝ついて、朝は汗べっとりになって目がさめる、を繰り返したクチ。ばくぜんとした「人間」への恐怖や、自分もその「人間」であると気付いた後の、やりようのない、ただ自分が存在していることの罪悪感を、自分以外のひとも知っていると初めて悟った漫画でした。
世界は、人間は、他人は、今でも仙水さんが思ったくらい、汚いし、恐い。もしかしたら、消えてしまった方がいいかもしれない。そう思うんだけど、幽白を読むと、やっぱりすてたモンでもないかな？とも思う。基本的にハッピー・エンドですしね。仙水さんだって、最期は、結構幸せだったみたいだし。（樹は幸せに決まってる。）そんなことを考えたいとき、私は今でも幽白をひっぱりだして、読むのです。