ニートに対する固定概念を崩した!!
★★★☆☆
この本でニートに対する固定概念が一挙に壊れました。
今まで、ニートは「働く意思がない人」という“世間に甘えている”,“社会的に迷惑な存在”だと思っていました。
テレビや新聞、週刊誌などはニートを問題視している半面、攻撃の対象にして面白がっている部分もあります。
本書では、そんな報道内容とは別の視点からニートを取り扱い、実際にニートやフリーターの人たち、または不登校の中学生や高校生にもインタビューをすることで当事者の生の声を拾っています。
筆者は、ただ単にニートに対して甘い視線で接しているわけではなく、ニートの人たちを通して「働く意義」を読者に問いかけています。
特に、ニートではない“正社員にしかなりきれなかった人”という表現が気に入りました。この言葉を筆者は、「不登校」「引きこもり」「ニート」の人たちにもチャンスがあるという意味で使っていました。
ニートの人たちにとって、“ニートであった時間”を消すことはできません。しかし、そのニートであった時間を“空白”で終わらすのか、“自分にとってプラスになる時間”にするのかでその人の将来は大きく左右します。
私自身不登校の経験があるので、「将来ニートになるのではないか?」という不安がありました。
そんな私にとって、本書の前向きな人たちの生の声は、とても参考になりました。
しかし、本書にはマイナス面の話がほとんど触れられていません。
ニートや引きこもりの人たちとこれだけ接してきたのなら、必ずネガティブな部分もあると思います。
そのネガティブな部分をもう少し、取り上げて、具体的な解決策やポジティブに移行する方法を書いてほしかったです。
この本の最後の方では、働くことは“チャンスを掴む機会が多くなる”と書かれていました。
「働くとは何だろう?」と悩んでいて、誰かの生の声を参考にしたいと思っている方は、この本を読まれると良いかもしれません。
ニートとは・・・
★★★★★
あなたは、ニートを知らないってことは
なくはないよね?
じつは、
ニートは働く意欲のない一部の若者だけの
問題ではないってことに気づかせてくれる
この本は、ファースト・クラスです♪
この本が実態を捉えていると言えるのか
★☆☆☆☆
2005年7月内閣府により行われた「青少年の就労に関する研究調査」によると
「ニート」と呼ばれている人たちの現在の活動内容を訪ねたところ半数より多い割合で
進学・留学準備や資格の習得など将来に向けて、就職を向けて「何か」をしている。
それなのにも関わらず本書ではニートというのは働く為の一歩を踏み出せない、と言い切ってしまっている。
確かに同じ統計から全体の3分の1程度の人は特に何もしていない、と答えていたりするため
全くの的外れ、ということは出来ないかもしれないが、的を得ているとは言いがたい。
これだけではなく本書の無いようには多くの矛盾、誤解を生む点、真実とは言いがたい点があり
あまりニートの実態を捉えているとは言いがたいのではないだろうか
このまま終わらせないで欲しい
★★★☆☆
著者はニートの「像」を、「やりたいことが分からない若者」と捉ているが、実際にそのような若者はいるにしても、それとニートの増加とは何の関連性も無い、このことは内閣府の調査によっても証明されている。実際に増えているのは、やりたいことが明確か否かに関わらず「働きたくても働く機会を与えられない若者」や、「働くことに失望した若者」である。しかし文科省は何を勘違いしたのか、本書が話題となって以降「キャリア教育」なるものに傾注し、著者が提唱する「職場体験の5日間完全実施」や、総合学習の時間におけるキャリア講習を強引に推進するようになった。もちろん子供たちに自分の将来について考えさせること自体が悪いことだとは言わない、しかしそれを速く決めるように煽ったり、プレッシャーをかけたりする指導は何の役にも立たないだろう。なぜなら子供たちが社会へ送り出される頃になって、その職業に対する需要がどうなっているのかは分からないし、場合によってはその職業自体が無くなっているかもしれないからだ。にもかかわらず、それに向けて幼い頃から努力させられてきた子供たちは、目標が失われた瞬間に、それこそ「何をしていいか分からない」状態になってしまうだろう。子供の頃は「漠然と」自分が持つ可能性について、思いをめぐらせていれば良いのである。むしろ「就職する」ということを目標とするなら、やりたいことなど明確にしないほうが有利なくらいだ。やりたいことに固執して就職の機会を逃すことほど馬鹿らしいことはない。…著者は本書がここまで学校教育に影響を与えることは想定していなかっただろうが、結果として現在のような状況になったことは重く受けとめてもらいたい。またマスコミによって、事実が著しく歪められている件についても、続編を出版するなどして何らかの措置を講じてほしい。
ニート 〜フリーターでもなく失業者でもなく〜
★★★★★
現在40万人にも達するといわれる「ニート」について詳しく述べられている。「ニート」体験者
の話を多く引用するだけでなく、神戸・富山で行われている「14歳のトライやるウィーク」の実践報告も多い。
(1) 良かった点
「ニート」はだれにでも起こりうる」というくだりには考えさせられた。増えた理由として「労働市場説」と「教育問題説」と「家庭環境説」の3つが考えられると述べてはいるが、しかしここに分類できるほど単純ではないとまとめられている。
ある青年の言葉に「ニートはどこかで社会経験の穴が開いている」というのが印象的だった。
(2) どんな人に読んでほしいか・役に立つか
私も含めた企業経営者にぜひ読んでほしい本です。明らかなニートではなくとも、それに近い社員は必ずいるし、またそうならないためにも、彼らを救う立場として、しっかりと理解をしてほしいと思いました。企業内では教育担当者もしかりでしょう。
(3) 私にとってこの本は・・・
自分を良く表現できない若者、人を理解できない若者は、確かに増えているようです。自分への自信のなさも一因でしょうし、何よりも人との係わり合いに苦手意識をもっていることが、最大の要因のように思えてなりません。失敗したり、誤解されたりすることへの恐怖でしょうか?
ニートとは紙一重の壊れやすい社員を、それこそ一人前の強い社会人に鍛え上げるまでには、多くの困難が待っているなあ・・と感じさせられました。でも本当に「自立・自律できる社員」にすることが、彼らの人生の幸せ作りに役立つならば、このことに正面から向かっていくことは大事ですね。