決してそうではないんだろうが、彼女の歌は、１０の歌唱力の２か３で歌っているように聞こえる。

「黄昏のビギン」や「星影の小径」を、ボソボソと誰でも歌える歌だと勘違いして、某アイドルがカバーしていたが、それこそ２のうちの２で歌っているのである。同じ「２」でも意味が違う。

奥行きがあって、そのビロードのような歌唱は、表に出ていない「１０」を感じさせ、陳腐ではあるが「何度聞いても聞き飽きず聞きほれる」。

彼女のアルバムは演歌が半分なのが多いので、これもいい曲の「夜間飛行」や「円舞曲」「喝采」など全てを集めるのに苦労した。

彼女が夫の死に殉じて引退したのが４０歳くらいだったことに、その老成ぶりが伺えるが、ぜひ今の彼女の「黄昏のビギン」を聞いてみたい。

黄昏のビギン、紅とんぼ、冬隣　など近年ますます注目を浴びている名曲の数々が収録されているので即買いでした。聞いてみると、かもめの街や星影の小径など、ちあきなおみならではの歌唱力を発揮した名曲が多く収録されています。カラオケのレパートリーが増えました(#^.^#)　ＣＤショップ、中古屋、ネットオークション等どこでも見つからなかったこの一枚、絶品です。あっ！矢切りの渡しも収録されているので演歌好きの方にもおススメかな・・・。

最愛の夫を1992年に亡くして以来、芸能界から完全に引退しました。その伝説のスターの残した録音を聴くと本当に歌の巧い素晴らしい歌手だったのがよく分かります。

ＣＭに使用された「黄昏のビギン」は、水原弘のオリジナルの歌唱よりしっとり歌われているのがいいですね。大人の歌唱これにあり、というくらい情感たっぷりに歌われています。永六輔作詞、中村八大作曲という名コンビが生んだ昭和の名曲を服部隆之がギター中心の編曲で雰囲気を醸し出しています。♪並木の陰の　初めてのキス♪というフレーズのタメは絶妙でした。

「かもめの街」の冒頭、語りのような凄みのある声にはゾクッとしました。大女優が一人語りを始めたみたいに情景がパッと目の前に浮かぶような素晴らしさです。八代亜紀、北原ミレイ、門倉有希など、この種類の歌を上手に歌う歌手はいますが、ちあきなおみは誰よりも「艶歌」の魅力を伝えている歌手だと思います。圧倒されてしまう歌唱との出会いでした。

昭和26年の小畑実のヒット曲「星影の小径」を、声を押さえた歌唱で表現しているのがいいですね。少しウィスパー・ヴォイス気味でオシャレに流しているところが巧みです。半世紀以上前の名曲を彼女の歌によって平成の世に広めてほしいと思います。

彼女の代表作でもあるレコード大賞受賞曲「喝采」はやはり素晴らしいと感じました。実話を元にした「喝采」もピアノを使用したアレンジで聴くと、より歌詞がストレートに伝わってきてそのドラマ性が強調されるようです。素晴らしい歌唱力ですね。

かつて某テレビ番組で徳光和夫さんがちあきさんのことを「日本で歌のうまい人を挙げたら、３本の指に入る」とおっしゃっていた。今回、一枚のアルバムを聴き、激しく共感を覚えた。
このアルバムには、歌謡曲と位置づけられる曲と演歌が収録されている。２では人生に疲れた独り身の女の倦怠がまことに目に浮かぶ。３は元々別な歌手の曲だが、まるで彼女のために作られたかのように、曲に彼女の声がマッチしている。４は彼女の実話がもとになって作られた曲だが、大ヒットしたのは元来の彼女の卓越した表現力に、実話ということでまさに彼女が曲の主人公であったことと、中村氏のクセのあるメロディーの魅力がプラスされた結果だろう。５はあの飛鳥涼の作である。これは、聴けば聴くほど味が出てくる。平坦に聞こえるかもしれないが、それはあまりにも彼女が歌い手としての才に長けており、他の曲の歌唱の中でこの曲のそれが埋没してしまっているため。完璧すぎると言ってもいい。１０はただ聴いているだけで泣けてしまう。特筆すべきは９。多数の演歌歌手がカバーしているが、この曲は彼女以外の者が歌ってはいけないとまで思う。ここまで完成された歌世界があるだろうか。男・女・語り手の三者が、はっきりと使い分けられている。他の歌手は真似できない芸当だ。とにかく、すべての曲に引き込まれる。天賦の才。

日本の歌手で、センチメントを堂々と歌いきれる人は多くないので、
「センチに浸りたし」という欲求に答えられるCDはなかなか無いですが、本CDはどっぷりと浸らせてくれます。
すばらしい歌声を堪能できます。
しかし、CD後半は演歌です。演歌調の歌がまだ体質的に受け入れられない人は、他の編集のを当たった方がよいかもしれません。

今まで、コレクションしていたモノだったが、友達がどうしても貸して欲しい！！と 人に貸すのが嫌いなので、プレゼントし、新しく自分用に購入 欠けることなく、コレクションに戻した・・・ テイチクのベスト盤の中で、不要な曲を外した一番のベスト盤と 自分では思っていたので、無くしたくなかった一枚！！

今、届きました。

歌唱力抜群で再び感動しています。杉本眞人の「かもめの街」はともに甲乙つけがたく、それぞれに「味」を存分にだしています。「君知らず」は声の幅、量文句なし、泣けます。