技術の洞察と理解、そして実践
★★★★☆
技術的要素のある職業に就いている方であれば、誰しもグッとくる箇所があるように思います。
・他人の技術(世阿弥の場合は達人、父観阿弥だった)をよく観察し、理解するには?
・自分の技術を高めるには?
・後進を育てるには?
これらの点において参考になるところがあると思います。
興味深いのは、自分の仕事で”花”を咲かせた後(全盛期を過ぎた後)どうすればよいか?
について書かれている点です。
世阿弥ってすごく聡明な人だったんだろうなぁ。
読みやすい
★★★☆☆
とてもじゃないが、怖くて原文に直接対峙できる度胸もないので、まずこの作品を手にとって見ました。字が大きいので非常に読みやすい。わずか100ページほどであっという間に読めます。ただ反面注釈が非常に少ない。これは長所でもあり欠点でもあります。100ページという短い作品が背負っている歴史の重みは結果として捨象されてしまいます。またキーワードについての深い理解は読み手の力量に任されてしまいます。本質と技巧についての考え方が扱われますが、本当に深く味わうには読み手しだいです。読み手は何をこの作品に探すのか?how toかそれともそれ以上のものか?さて原文に挑戦しましょうか。
風姿花伝、一気に読みました
★★★★★
「秘すれば華なり」その志が、今まで以上に理解できました。何回も読み直したいと思います。
まことの花の咲かせ方
★★★★★
まことの花はどうやって咲かせたらよいのでしょうか?
その解が本書に書かれています。
能や舞踊だけでなく、本書に書かれていることは仕事、趣味、何か達成させてたいことすべてに通じるものがあります。「年来稽古條々」を読むことで、自分が今取り組んでいることがどの段階に入っているのかがよくわかります。そして何をするべきなのかも。
600年前の良書を何度も何度も熟読したいものです。父、観阿弥から伝えられたものを子孫に残そうとした情熱が伝わってきます。
現代語訳『風姿花伝』世阿弥は原文をわかりやすい言葉で伝えてくれているので原文で挫折した方には現代語訳がオススメです。
入門書としても最適
★★★★★
ひとつには天下安泰のため
ひとつには諸人娯楽のため
長寿延命の芸能として、その起源は仏在所(インド)より、あるいは神より伝わるという…。
感性を磨き、所作の振る舞いにおける正しい姿勢、そして一心にして迷いのない境地など、奥義が伝承されていたのでしょうね。
現代においても、人としての在り方が刻まれているようで、感銘を受けました。