1枚目がハード、2枚目がポップというように、2枚組みになって
います。一枚に収まる程度なのですが、ここはあえてこれで
よかったと思います。
1枚目はやっぱり、「唯一無二なロック・バンド」という表現が
しっくりくるような、そんな内容。ものスゴイ想像力と表現力が
あってこそですよね。もう絶句です。ハードなんだけど、どこか
メロディアスだったり、はたまたシャウトがあったり...
彼らの演奏力の高さを思い知らされた一枚です。
本人達曰く「ポップ・サイド」と呼ぶこの2枚目ですが、注意して
聴いてるとやっぱりどこかSIAM SHADEらしさというか、音を
詰め込む作業が異様に上手いですよね。それでいて歌の邪魔を
していない。
このアルバムは万人にウケはしないでしょうが、きっとある種の
方々のツボには思い切りくい込むでしょう(笑)ただ初めて
SIAM SHADEを聴く人には、2枚目から聴く事をオススメします。
だが各曲それぞれを独立して聴けば、いつも通りの完成度の高さを感じさせてくれる。
丁寧に一曲一曲を聞いていると、彼らが大きく成長したが故に、
違った道をそれぞれが見つめ始めていた事がファンならば必ず、きっとわかるだろう。
この曲書いたのはDAITA。これはKAZUMA。こっちはHIDEKIか。と、今活動している彼らに
リンクさせて聴くのも面白いと思う(しかもすごくわかりやすい…)。
このCDを聴いて、近い未来にくるであろう解散を覚悟したファンは多かった。
なぜ解散したのか。
それは彼らが大きく成長し、それぞれ違う音楽の道に
ステップアップしたのだと確信させてくれる一枚だ。
とはいえ私はやっぱり、道を模索するが故に
多少今までのらしさを見失っているこの一枚に☆5つもつけることはできないけれど…
彼らがいつだって音楽に真摯であることがとてもわかる作品なので、嫌いにはなれない。