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魔法使いの娘 (8) (ウィングス・コミックス)

価格: ¥590
カテゴリ: コミック
ブランド: 新書館
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娘よ、父の屍を越えてゆけ ★★★★★
「最強の陰陽師の父親に溺愛される一人娘」(しかも美少年の式神やら黒衣の長髪美形ライバルやらもいる)という、「いかにもオタク心をそそる萌え設定」にヒロインを配しながら、本書の真のテーマは「そこからの脱却と成長(自分の力で掴み取る)」だったのだ、と知り、拍手を送りたくなりました。
息子VS父、娘VS母のドラマはあれど、娘VS父をこんなに見事に描いた漫画は他に知りません。大抵の場合「いい娘」=「父親にとって都合がいい娘」でしかないですからね。「いい娘」を辞める事で父たちを救済する初音ちゃんはいい女になりそうです。
少し惜しいのは実のお母さんと兵吾の描写が少ない事かな。(続編で描かれるかもしれませんが)

絵がシンプルでちょっと分かりづらい場面や描写不足と感じる部分もあるのですが、それを充分補う熱い感動がありました。アート画集のように美麗だけど伝わってくるものがないマンガが多い昨今、久しぶりに「いいマンガ読んだー!!」という満足感を味わえました。
子供が親に出来た最初のこと ★★★★★
この漫画、普通に最初のうちは読んでいたんですが、親の話が出てきたあたりから、なんだかきな臭い匂いが漂っていたのにちょっと驚いていました。
全てを持っているがゆえに何にも執着しない父親、全てを「やり直せる」ゆえに何も「大切にしない」父親、その存在に全面的に守られていた、全ての「過去」から守られていた、遠ざけられていた自分の環境や位置や状況を知った娘が、その父親の呪縛――それは父親の呪縛でもある――に気がつき、そこから逃げず、立ち向かう姿に、「あー、だから『魔法使いの娘』だったのか!」と実感する次第。伏線の回収の見事さに背筋がぞくぞくします。
そういえばここまできっちりと続いている長編連載って、出世作「ここはグリーンウッド」以来じゃないんでしょうか…?
最後にいったいどうするんだろう、と見守っていた読者として、最後の最後で彼女が下した、非常に本能的で原始的な、そして一番大事な態度には、彼女の人間としての強さをしみじみと感じました。
表紙の絵が途中から、初音+大人の組み合わせになっているのも興味深い。(最初は逆なので)
これは凄い。是非もっと多くの人が評価してほしい。
続編が続いているのがちょっと嬉しいw
作者の原点であり、進化形 ★★★★★
昔、那州雪絵さんのフラワーデストライヤーとか初期の花ゆめ掲載作品を喜んで読んでいた私としては作風が戻ってきたよと嬉しく思っていました。最終巻で残念と思う反面、決着がついてよかったと思うことしかりです。オカルティックな味付けをしていますが、人の本質を失わない(人としてタフな初音ちゃん)の決断は厳しく正しいと思います。
厳しく真っ当な決断はぬるま湯のような生活を/あるいはパパが望む結末を受け入れませんが、人として歩き出すことが大事であることがよく分かります。
娘は次に何をするか、楽しみでもあります。
切ない ★★★★★
初音ちゃんとパパとの関係に決着がつきます。『お父さん』も出てきますし、出生の秘密も明かされます。
でも私は、ラストシーンがきました。いつもは、割と楽しんで話が終わるのですが、今回は、篠崎くんの気持ちに切なくなりました。
でも、続編が始まるようです。これからも楽しみです。
初音ちゃんの決断 ★★★★★
普通の女子高生だった初音ちゃんがパパの仕事に巻き込まれたりするオカルティックなホームコメディだった頃から考えるとずいぶんと遠くへ来てしまった。
”普通”だった女の子は自分が“普通”に暮らしていた裏側になにがあったのかすべてを知って、そして決断する。

一話完結していた初期にも色んな伏線が張り巡らされていて、この8巻でそれらが全部回収されるのが見事としか言いようがない。
読み終わった今思うのはともかくすごいということ。
だからこそ本当に人に薦めたい、そんなマンガが終わってしまったことが少しさみしい。