優しく澄んだ戦前の若き詩人・立原道造の詩篇56編
★★★★☆
1932年(17歳)から夭折する1939年(24歳)までの詩篇56編。漫画家魚喃キリコ氏の簡素ながら重み深みのあるデッサンが詩篇を邪魔しないよう添えられています。風・花・鳥・蝶・陽・月・空・雲・星・歌を謳う詩人が持つ優しさは比類がないように感じました。取分け10代から20代前半の人には大きな意味を持ち得る詩篇だと思います。
編集後記によると本書出版の意図は魚喃さんも心酔する夭折詩人・立原道造を知らない若い世代(画家の読者?)へ彼の詩を届けることのようですが、紙質・装丁・(ターゲット層)等を考えるとちょっと高額な気がします。