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もひとつ ま・く・ら (講談社文庫)

価格: ¥770
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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まくらを超えている。 ★★★★☆
ま・く・らに続いて購入しました。初めの本に比べると、ひとつひとつの話が長くなっています。特にいいのは、最初の三話、特に笑子の墓がいい。私はこれは、まくらという領分を超えて、創作人情噺として評価されるべきではないかと思います。可哀想だの、悲しいだの、そんな適当な言葉を一切使わず、だのに最後の師匠の言葉でぼろぼろっと涙が出てきます。この噺だけでもすばらしいと思います。
これも、また買っちゃいました。 ★★★★★
前作に引き続き、電車の中でも、ついニヤニヤほくそ笑みながら読む一冊です。古本屋に売ったり、人にあげたりするのですが、「ああ、そろそろアレが読みたいな・・・」と思ってこの間3冊目を買ってしまいました。再びバカです。
小三治師匠の「まくら」(落語の本筋に入る前の導入部)を文章化した一種のエッセイ。日常、そこここに普通におこっていることが、小三治師匠のフィルターにかかると、どうもおもしろい事件になってしまう。これが落語の底力なんでしょうか。人間同士の普通のやりとりを、大きく小さくガバッとつかみとり、さりげなく語っているのがなんとも愉快です。文章も、小三治師匠の高座を録音(録画?)したものからおこしているので、師匠の落語を一度でも聞いたことのある人は、あのとつとつとした語り口調がよみがえってきて、これぞバーチャル。今回は笑うばかりではなくて、ほろりとさせるエピソードもあり、ちょっと違ったタイプのまくらもとりあげられています。

毎日のルーティンワークに埋もれて、人生のもティべーションが下がってしまったときに読む一冊です。自分の日常に、いつもと違う視点をもちこみたいときにもおすすめです!

新しい話が加わって嬉しいが、少しインパクトが薄れた。 ★★★★☆
 元は、小三治師匠の少し長めのまくらであったのかもしれないけれど、「まくら」が、本番の落語の導入とすると、この「ま・く・ら」は全く別の芸域だと考えるしかない。
 前作に比べると、更に、師匠の趣味の領域に突入しているが、これは、若干行き過ぎてしまったのかもしれない。
 高座に何度も通ってる人間としては「うんうん」と思うけど、そうでない人には、ややマニアックで、前作の万人に共通するインパクトが薄れてしまったかもしれない。
「まくらの小三治」の真骨頂 ★★★★☆
 人は「まくらの小三治」と呼ぶ。
 だからといって「まくら以外はてんでダメ」なんてこたァない。小三治のうまさは誰もが知っているし認めている。ことさらにまくらまくらと言うのは、圧倒的に面白く個性的だからだ。あのギョロ眼で、じいぃぃっ、と睨んだ世の中のあれこれを、あの四角い頭ン中でこんころころと転がしてこしらえた、小三治にしかできないまくらの数々。末尾には、「このまくらが、この咄につながりました」と、きちんと添え書きがしてある。おかげで一編読むごとに、あの咄この咄、フウッとよみがえってくるてェ仕掛けだ。しゃれてるね。