前作に引き続き、電車の中でも、ついニヤニヤほくそ笑みながら読む一冊です。古本屋に売ったり、人にあげたりするのですが、「ああ、そろそろアレが読みたいな・・・」と思ってこの間3冊目を買ってしまいました。再びバカです。
小三治師匠の「まくら」(落語の本筋に入る前の導入部)を文章化した一種のエッセイ。日常、そこここに普通におこっていることが、小三治師匠のフィルターにかかると、どうもおもしろい事件になってしまう。これが落語の底力なんでしょうか。人間同士の普通のやりとりを、大きく小さくガバッとつかみとり、さりげなく語っているのがなんとも愉快です。文章も、小三治師匠の高座を録音(録画?)したものからおこしているので、師匠の落語を一度でも聞いたことのある人は、あのとつとつとした語り口調がよみがえってきて、これぞバーチャル。今回は笑うばかりではなくて、ほろりとさせるエピソードもあり、ちょっと違ったタイプのまくらもとりあげられています。
毎日のルーティンワークに埋もれて、人生のもティべーションが下がってしまったときに読む一冊です。自分の日常に、いつもと違う視点をもちこみたいときにもおすすめです!