インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

第三の時効 (集英社文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
Amazon.co.jpで確認
舞台や登場人物がせっかく一緒なのに ★★★☆☆
横山秀夫お得意の警察物の短編小説。短編といっても舞台や登場人物は一緒であり、オムニバス形式で事件ごとに話が進む。

ほぼ無敗を誇る、F県警の捜査一課強行犯係の1〜3班のお話。1班班長「青鬼」の朽木、2班班長「冷血」楠見、3班班長「天才型」の村瀬。それぞれ魅力があるが、個性的であり、一癖も二癖もある人物ばかり(朽木の「青鬼」は、情もあるからなのかなぁ)。プライドと意地がぶつかり合いながらも、事件を解決していく。特にお気に入りは、「ペルソナの微笑み」。取調べ室の会話が妙でおかしい。

私的には横山秀夫は「クライマーズ・ハイ」が最高傑作。今回の作品もこれは越えなかったが、重く、男臭い作風は、読み応えあり。

舞台や登場人物がせっかく一緒なのに、話自体はほんとに分断されている。根に一本の事件があって、最後に解決する、といった展開がないのが残念。伏線を張っておいて、最後にドーンと、というのがあったらもっと面白かっただろうなぁ。
ドロドロしていても、根幹には刑事の矜持が。。。 ★★★★☆
F県警の「3つの強行班」のそれぞれが扱う事件毎に短編が構成される。

全編にわたり、この3班間での「手柄争い」「出し抜き」「縄張り意識」など
大の大人が、まさか警察がと思うような、ドロドロした人間の性や欲が露出する。
いや、大人だろうが、いい歳した男だろうが、警察だろうが、こういうのは必ず存在するのだ。
だからリアリティや共感を与えれているのだろう。

でも、どんなに普段ドロドロしていても、根本には仕事に対する矜持、悪を憎む思い、
刑事の自尊心がある。
仕事の本懐だけは忘れないようにしようと、意を新たにした。



私には合いませんでした('д`;) ★★☆☆☆
ケレン味たっぷりで、味付けが濃すぎて、必要以上にエンターテイメントエンターテイメント(?)しすぎていて……変な例えかもしれませんが、なんか……「キャプテン翼みたいだな ('д`;)」 って思いました(笑)。 もうちょっとリアルな内容のものを予想していたので……興ざめ…というか肩透かしをくらったような感じです。
清張を超えることができるのは横山秀夫のみ! ★★★★★
松本清張賞の受賞者でもあるし、清張と同じく新聞社で勤めていた経験もあり、やはり清張と同じく作家としてはあまり早いデビューではなかった。横山秀夫の作品を読んでいると、推理小説の巨匠であった松本清張の影がちらつく。宮部みゆきの初期のころの短篇もちよっと清張っぽいのがいくつかあるが、横山秀夫の場合は緊張感あふれる文体、登場人物を動かすサスペンスフルな動機(清張は社会的な地位にある人の弱みというのが多いが)など、清張を小説の師としているようだ。というか、清張の良い部分を現代に持ちこみたいのかも。横山秀夫は清張の初期短篇がそうであったように、人間の心理から繰り出されるサスペンス、ちょっと意表をついた渋いストーリーなどが圧倒的にうまく、ストーリーの着眼点がよいためにとにかくページをめくらせるのだ。

一番好きなのは「第三の時効」。発端は清張の名作短篇「張り込み」を思わせる。しかし、「張り込み」よりも格段にエンターテイメントとしてはおもしろい。最後のどんでん返しもさることながら、登場人物の造形がおもしろく、ストーリーがとにかくよく練られている。そして、短篇なのに濃密されている深い物語で、大人が楽しめる内容。清張のいい部分をそのままに(サスペンス、短篇らしいアイデア、男たちの心理)、弱かった部分を強化した(練られたストーリー、本格的趣向の盛り込み、さわやか感)。現代によみがえった清張。清張の正統なる後継者。このままどんどんと書いてください。これからをまだまだ期待できる作家です!
表題作がすごい ★★★★★
 やや難しい文体なので、多少読みにくいところがあったのですが、
とてもいい内容だったと思います。
謎が深まっていき、物語に引き込まれたとたんに、急に真相がわかる。
急展開とはいっても、衝撃的な後読感を得られるラストの連続。
すばらしいです。
特に表題作の『第三の時効』がすごい。
法律の網をくぐり抜けてしまうという斬新な構想。ここには驚きを隠せませんでした。

 横山作品は何が起こるか予想もできません。