応用編とは言っているが、文例は日常会話レベルの簡単なものばかり。キャラクターのモジャ君が、対話形式でさまざまな会話を教えてくれる。日本語と韓国語は語順が似ているので、頭の中に浮かんだ日本語をその順番どおり韓国語に直していけばいいのである。モジャ君がダジャレでやや強引にこじつけるので、かえって印象に残って覚えやすいだろう。
豊富な文例は日本語訳付きでハングルで表記され、発音はローマ字とカタカナで確認できる。文例ひとつひとつにイラストが付いているので、会話の場でイラストを頼りに言いたいことをさっと探すこともでき、至れり尽せりの内容である。
著者の一連の韓国語学習書には「韓国の人と仲良くなろう」という強いメッセージがあふれている。まずは韓国からの留学生と友だちになろう。友だちが友だちを呼び、たちまち困るくらい友だちができるから。そして韓国へ友だちを訪ねる旅をしよう。名所旧跡を訪ねる観光旅行とはぜんぜん違う、すばらしい旅が体験できるから。
韓国では、高校の授業で日本語を選択科目として選ぶ人が多く、日本語学校もたくさんあるという。そんなに熱心に日本語を勉強してくれる隣の国の人の言葉を、私たちも覚えようじゃないか。著者はそう呼びかける。
韓国語を勉強するだけでなく、韓国人の友だちの作り方も学べる、楽しい学習書である。(篠田なぎさ)