意味は逝った
★★★★☆
フランスのサイケ/プログレバンドのゴングが1971年にリリースした第二作。アレン色が強いサイケポップな前作から飛躍的にジャズロック
している一枚に進化した。後にハットフィールド・アンド・ザ・ノースやナショナル・ヘルスというカンタベリー・シーンの重要グループ
にも参加したピップ・パイルのドラミングがもろに影響してるだろう。この変拍子を難なくこなすテクニカルな煽動力によってマレルブも
前作と比較にならないほどアグレッシヴなサックスを聴かせてくれる。よって愉快な作風ながら全編に緊張感がある仕上がり。
ここですでにゴングの基盤は出来てると言っても過言ではないと思う。すなわち、ボヘミアン体質が強く反映したデヴィッド・アレン
の変態サイケワールドに、それを何倍にも増長させるジリ・スマイスのスペース・ウィスパー(奇跡の命名センス!)と言う名の
第三者を完全に無視してしまったエロアイデアヴォイスに、テープ録音にエフェクト多用のコズミックな広がり、そして緊迫感を有した
ジャズロックなグルーヴ。あまりにユニークな世界だが2曲目や8曲目のように素直に痺れる曲もあるのでご心配なく。が、基本ボヘミアン。
あまりにもボヘミアンすぎて一種おフザケ感があるのに、音楽的な質はまったく低下させず矛盾なく成立してるところが最大の特徴だろう。
そしてそれ自体がアレンの不気味なカリスマ性でもある。もっと言うならそれこそイデオロギーの暴走に個々性で立ち向かったヒッピーの
象徴そのものじゃないか。優れたミュージシャンの前にね。
で結局、こんな奴のところに凄いメンツは集まる。ブレイク然り、ムーラン然り、ハウレット然り、そしてヒレッジと。でも魅力が強烈
すぎる故の皮肉もあって、基本アレンは楽器ができなくても誰でも参加できるような集団を創りたかったはずなのに、いつのまにかメインが
超絶音楽の側面に偏ってしまった。結局脱退してしまうが。。そもそもソフト・マシーンでレコードデビュー出来なかった時点で、
偉大なユーモアの道を歩む事は決定づいてたんだろうね。始まりから逝ってるんだもん。なんてカッコいいんだ。
初期ゴング・サウンドを確立した作品
★★★★☆
71年の2nd。ロバート・ワイアットらとのグループ、バナナ・ムーン経て制作されたゴングのセカンド・アルバム。テープ操作による変調やサウンド・エフェクト、スミスによるウィスパー・ヴォイスなどを駆使した良い意味での変態サウンドをロック寄りのサウンドで聞かせており、前作のフォーク的なサウンドからかなり変化している。単調な部分もあるが、本作においてほぼゴングのサウンドは確立されたと見てよいと思う。軸となるのはギターとサックスによるリフであり、そこにフリーキーなアレン&スミスのヴォーカルが絡む。演奏メンバーが達者なおかけでかなりシャープな演奏になっているのが魅力。3.はオルガンをバックにした賛美歌調の佳曲。4.はフリーキーな雰囲気はあるもののノヴェルティ・ソングのようなポップな曲が、突然スミスによるスベーシーなスロー・ナンバーに変化する。8.のスペーシーなサウンドはスティーヴ・ヒレッジにも受け継がれるゴングの真骨頂とも言えるもの。本作のハイライトだろう。9.はシングル・カットも出来そうなメロディアスな60年代風のギター・ポップ。アレンの本質的な魅力が垣間見れるシンプルかつポップな一曲だ。
この混然とした世界こそ初期ゴングの魅力だろう。個人的には非常に珍妙な印象があるのだけど、あまりにもビジュアルにマッチしたサウンドなので説得力を感じてしまうのも確か。ある種のワールド・ミュージック的なテイストもあると思うが、それだけ独特とも言えると思う。
初期ゴング・サウンドを確立した作品
★★★★☆
71年の2nd。ロバート・ワイアットらとのグループ、バナナ・ムーン経て制作されたゴングのセカンド・アルバム。テープ操作による変調やサウンド・エフェクト、スミスによるウィスパー・ヴォイスなどを駆使した良い意味での変態サウンドをロック寄りのサウンドで聞かせており、前作のフォーク的なサウンドからかなり変化している。単調な部分もあるが、本作においてほぼゴングのサウンドは確立されたと見てよいと思う。軸となるのはギターとサックスによるリフであり、そこにフリーキーなアレン&スミスのヴォーカルが絡む。演奏メンバーが達者なおかけでかなりシャープな演奏になっているのが魅力。3.はオルガンをバックにした賛美歌調の佳曲。4.はフリーキーな雰囲気はあるもののノヴェルティ・ソングのようなポップな曲が、突然スミスによるスベーシーなスロー・ナンバーに変化する。8.のスペーシーなサウンドはスティーヴ・ヒレッジにも受け継がれるゴングの真骨頂とも言えるもの。本作のハイライトだろう。9.はシングル・カットも出来そうなメロディアスな60年代風のギター・ポップ。アレンの本質的な魅力が垣間見れるシンプルかつポップな一曲だ。
この混然とした世界こそ初期ゴングの魅力だろう。個人的には非常に珍妙な印象があるのだけど、あまりにもビジュアルにマッチしたサウンドなので説得力を感じてしまうのも確か。ある種のワールド・ミュージック的なテイストもあると思うが、それだけ独特とも言えると思う。
「You Can't Kill Me」は名曲
★★★★☆
Radio Gnome Invisible3部作「The Flying Teapot」「Angel's Egg」「You」発表前の作品。
3部作、中でも「Tea Pot」や名盤である「You」などと比べるとはっきりいってのっぺりとした演奏で切れも悪くイマイチな感は否めないのだが、すでにデイヴィッド・アレンのユートピア思想に基づいたスペースチックでサイケなジャズロックという個性は確立されているのはさすが。恋人・ギル・マイルスの怪しい「スペースウィスパー」もすでに健在である。
中でも怪しいイントロ「Radio Gnome(ここですでにコンセプトがあった)」から始まる「You Can't Kill Me」はこのアルバムの中でもアップテンポで攻撃的で突出した名曲。今聴いても十分かっこいい曲だと思う。
まあ、後期のジャズロック化したGongが好きな方はともかく、独特のトリップ感を与えてくれるアレン時代のGongが好きな方は持っておいても損はないアルバムだと思う。入門者はやっぱり、演奏・楽曲面で充実した「Teapot」「You」をオススメします。
普通のロックバンドでよかったと思いました
★★★★☆
2~3年前、初めてGONGで入手した作品です。わけのわからないことやってないか少し心配したのですが、とても、かっこいいロックで安心しました。最初の「ドビ、ドビドーバ」とか最後の「セリー」と歌ってるのが、お気に入りです。この作品のあと出てくる「ティーポット」「ユー」に比べると、演奏のテンションがいまひとつかなとも思いますが、ソフツの好きな人であれば、気に入るのではないかと思います。