これに加えて、第二に
スピリチュアリティ研究者とスピリチュアリティ文化人との区別がしづらいこと。
(研究者も その世界にどっぷり という強い印象)
(批判の観点がない、とは言わないが、弱い、かなり弱い)
(研究者自らが「グル」になろうとしているかのような・・・)
本書は、この第二の違和感をかなり低減してくれた。
スピリチュアリティ研究も まんざら捨てたものではない、と。
(この点、とくに弓山達也さんのオウム論が印象的だった)
スピリチュアリティ文化が宗教論にとって重要なのは分かっていたから、
これを契機に 他の本も読んでみよう と思うようになった。
難点は――
「宗教社会学」が「宗教研究」全体を代表するかのような語り口
(端的に、勉強不足の執筆者がいる)
(たとえば、その方、京大系宗教哲学を読んだことがあるか?)
執筆陣が意気ごむほど、革新的な「宗教研究」ではない
(仮想敵である「かつての宗教研究」とは誰のどの作品のこと?)
(この本自体、宗教社会学の小気味いい小著、という程度なのでは?)