率直に言おう。本作におけるテクノ色は、輝ける巨大な岩盤の頂に積もったささやかな塵(ちり)に過ぎない。その岩盤とは濃密かつ麻薬のごときロックンロールのことで、他にこの分野でそうした偉業を成しとげたバンドはスマッシングパンプキンズしかない。オーディエンスの主流は斬新(ざんしん)さだけでなく親近感も求めているものである。
本作はポップカルチャーの柔軟性に基づいたウォーホール的な方法論を用い、バンドの特徴である果敢な実験性を駆使することで新しい音色を巧みに融合させている。「Discotheque」は高揚感あふれるオープニング曲であり、「Staring at the Sun」は共通点の多い新興バンドであるオアシスの「Wonderwall」への解答である。また「If God Will Send His Angels」ではさまざまな要素を組み合わせて賛美歌をつくりだしている。本作において過渡期のU2は頂点に達している。(Jeff Bateman, Amazon.com)
テクノロジー3部作・最終弾!!!
★★★★★
1997年、U2のアルバムです。
このアルバムは、90's U2のテクノロジー路線3部作のラストとなります。
今回も、デジタル系ですが、前作「Zooropa」とは、趣が異なります。
このアルバムの場合、まず、tr. 1 "Discotheque"を思い浮かべる人が多いと思います。
tr. 1〜3については、テクノ、デジロックな感じになっています。
それ以降については、結構、U2だと思います。
サウンド面では、
確かに、シーケンス、ループ、サンプリングetcのデジタル的なものがありますが。。。
。。。楽曲は、「これ、Live(生演奏だけ)でやったら、普通にU2やん!」と思えるものが多いです。
シングル第1弾になり、大ヒットした、tr. 1
荒涼とした雰囲気の中、Bonoの温かみのあるボーカルが映える、tr. 5
救いを求めて、叫ぶ、tr. 11
「死者を起こせ」と歌う、tr. 12 (個人的には、U2の名曲の1つです)
。。。などなど、聴きごたえのある曲が多いです。
「90's U2ファン」にオススメします。
また、「デジロックやブリストル系が好きな人」「一度聴いたけど、手放した人」にも、是非、試してもらいたいです。
デジタル路線ということで、このアルバムを嫌うファンが多かったのですが、
時間が経った今なら、結構、「普通に聴けるのでは?」と思います。
個人的には、「Zooropa」「Pop」は、ちょっと、時代の先を行き過ぎたかな?とも、思います。
(中古盤・激安です。。。が、決して「使い捨て音楽」ではありません)
(参考)
日本盤は、ボーナストラック「Holy Joe (Guilty Mix)」収録。
始めて聞いた時はかなり驚いたが…
★★★★★
U2 『POP』
1. Discotheque
2. Do You Feel Loved
3. Mofo
4. If God Will Send His Angels
5. Staring at the Sun
6. Last Night on Earth
7. Gone
8. Miami
9. Playboy Mansion
10. If You Wear That Velvet Dress
11. Please
12. Wake up Dead Man
13.Holy Joe (Guilty Mix)*
*=Bonus Track
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ハウィーB、ネーリー、フーパーらを迎えテクノ路線を突っ走ったU2の'97年の快作。
それまでの「アイリッシュの熱いバンド」路線とも「アメリカン・ルーツ音楽を探る旅」路線とも
全く違う「'90年代エレクトリック」路線のU2の姿がここにある!!
正直リアルタイムで聴いた時はかなりびっくりしたけれども、今になってみると結構かっこいいアルバム♪
といってもバリバリのテクノな曲は#1〜#3の頭3曲で他はそこまでイキ過ぎてはいない!!
1stシングルにもなり、様々なMIXが出回った#1は、面白いPVと共に踊れる曲♪
続く#2や#3は、エレクトリック・ノイズギター&トリップホップ・ベース、ブレイクビーツがかっこいい曲♪
どちらも今聴いてもかなりかっこいい曲だと思う♪
#3で幼いころに母親を亡くしたボノが"Mother suckin' Rock N' Roll"と歌う歌詞も興味深い。
この曲は『MOFO REMIXES』としてシングル化された。
冒頭3曲のテクノ路線から一転して#4は、U2らしい「神」について歌った曲。
静かだが不思議な魅力を持つ曲。この曲と続く2曲はシングル化された。
#5はライヴではアコースティックで演奏される曲だが、このオリジナルもかっこいい♪
歌詞の喜んで目が見えなくなるまで太陽を見つめるよ…とはなんとも…。
#6は「地球最後の日」を歌った曲。かなりかっこいい曲なのだが、あまりライヴではやらないのが残念…。
#7は、後のベスト盤で録り直しされてまで収録された曲で、ライヴでも結構頻繁にやっていた曲。
確かにいい曲だと思う♪
#8は、軽やかなビートがノレる曲。
明るい#9も悪くはない。
#10はとても静かな曲。しかし底知れぬ魅力のある曲。
聴きこめば聴きこむほどにその良さに気付かされる。
#11は、このアルバム中でも屈指の名曲。
シングルver.では更にエッジのギターが強調されており、実はこちらのシングルver.の方がかっこいいぐらいだ♪
シングルには2種類あり、1つは先にあげたver.違いのものだが、
もう1枚はなんと"Please〜Where The Streets Have No Name"のメドレーがかっこいいロッテルダムでのライヴを収録している。
これがかなりかっこいい♪
このシングルに#5のアコースティック・ライヴver.も収録されている。
#12は、当時のライヴの最後にもよく演奏されていた曲。
この曲といい、#4や#10の様に、静かめの曲調ながら、不思議な力を持った曲が多いのも本盤の特徴か!?
U2の長い歴史の中でも本盤と『ZOOROPA』は、ちょっと異色作扱いされているが、
しかしながらこの『POP』は、今改めて聴いても十分に魅力的なアルバムだと思う♪
このアルバムによってU2はこういった音楽性でも十分に通用することが証明されたことだろう。
1997
★★★★★
メタリックなリズムに続くラリーのドラミング。トリップホップ的なシンセ・ベースがうなり、泣き声にも似たノイズが横切る中を響く、許しを乞うようなボノの歌声--この3が異常にカッコいい。
テクノ、ヒップホップ、トリップホップ、ローファイ……『アクトン・ベイビー』『ZOOROPA』と、斬新でハイパーなダンス・ナンバーを生み出してきたU2のアブストラクト(=実験)期(『アトミック・ハート』以降のMr.Childrenが、この間のU2にみなぎっている冒険心に強く影響されているのは、おそらく間違いない)の完結作である。素晴らしいパートナーシップの続くフラッド、そしてハウイー・Bといった先鋭派のクリエイターたちと作られた本作は、フィジカルなロック・サウンドとサンプリングやプログラミングによるデジタル音のせめぎ合いが最高にスリリングな1枚となった。
そして注目は、4以降のミディアム〜スローのナンバー。新たな挑戦を繰り返しながら"僕たちはどこへ行くんだろう"と歌うボノ、その不安な思いを刻むように響くエモーショナルなエッジのギター。もはや時代はロックンローラーの脳天気なシャウトを簡単に許してくれないのである。2000年代の新たなロックを手中にできるのは、きっとこのアルバムを踏み越えていける者である。
欠かせない1枚
★★★★★
周りの評価があまりにも低すぎかと。中古安過ぎですw。 ヨシュアツリー、魂の叫び、POP、この3枚 が僕の中のザ、U2です。このアルバムをもっと好きになってくれる人が増えてほしいです。
色っぽいU2
★★★★★
重いです。かなり重い。テクノってこんなに重いのですか?もっと無機的なものだと思っていましたが。このアルバムの印象はテクノというよりもサイケデリックとかドラッグとかに近い気がしました。そういう曲は昔からやっていたし、格別U2が変わってしまった気はしません。ただいままでのアルバムとどう違うかというと色っぽい曲が多い(笑)。2,8,10,13など。2なんてかなり露骨ですけどいいですよ。10もいいです。酔います。全体的に酔えるアルバムなのでお勧めします。でもこんなに重いのにエキセントリックにならないのがさすがU2。安心して聞いていられます。絶対的に信頼できる数少ないバンドです。