独自のジャンルを確立した傑作
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それまで、ジャズ〜ソウルに影響を受けた音楽を極めて洗練されたタイトな音作りで独自のスタイルを作ってきたSADE。前作Stronger Than Prideは極めて都会的な音の通好みの渋い曲ばかりである意味、それまでのSADEのスタイルの完成形だった。
今作は、それまでのジャズ・ソウル的なアコースティックなアレンジが抜けた代わりに打ち込み的な音が増え、そこからさらに独自の脱世界的な浮遊感が出てきたように思う。これが実は本当の「SADEの音」だったのだと思う。アレンジの洗練さはやはりSADEで、バラエティに富んだ曲が並んでいるのだが統一感もあり極めてクオリティの高いアルバムに仕上がった。ここでのヴォーカルは、これまでよりもさらに内省的で表現を抑えていて、そこが作りこんだ人工的な音にマッチしているのは確か。
浮遊感とは逆に、社会的なメッセージが強くなったのもこのアルバムからだ。
個人的には暗く沈んでいくNo Ordinary Love, 美しく繊細なLike a Tattoo, 浮遊感あるギターが印象的なCherish the Dayかな。
個人的にはStronger Than Prideの都会的なSadeが一番好きだが、アルバム毎に進化するSADEはそれで素晴らしいアーティストだと思う。
このアルバムは1曲1曲が丹念に作られた極めて美しく上質な音楽だ。全ての人に聴いて欲しい。
天気の良い日のドライブ中BGMに最適な1枚です。
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当方はデビュー作DIAMOND LIFEリリース当時からSADEは全てフォローしているのですが、今までの中の1枚を選択するとなると、セールス面では比較的に地味な結果の印象だった気がするこのLoveDeluxeかな、、。全曲良いアルバムだし、シックなジャケデザインが今でも新しく感じるし、本作ツアーの武道館ライブを見に行った思い出が有るしなので。神秘的なライティングのみの何も飾らないシンプルなステージに彼女のクールでミステリアスな存在、のあまりのカッコ良さに本当に感激しました。(個人的に大好きなナンバー、Is It A Crimeを歌った後とか、もう涙でした。)。本作からのメインナンバーは多分KissOfLife(よくラジオでかかってるナンバー)かも知れませんが、当方がそれ以上に好きなのがアルバムナンバーの3曲目I Couldn't Love You Moreと続く4曲目のLike A Tatoo.I Couldn't Love You Moreのアナログリズムマシンの音と、バックで揺らぐシンセパッドの音の何とも言えないコズミックな雰囲気が、いつ聴いても良いです。Like A Tatoo は、アコースティックギターメインのトラックなのですが、曲中盤で突然バッ!と入ってくるシンセパッドの音に初めて聴いたときは、意表をつかれ鳥肌がたった等、彼女の歌声以外の部分の=印象に残るクールなサウンド=と言うのが本作には多い。SADEは単純に=癒し系=と言うレッテルを貼られるだけみたいなケースが多い感じですが、それ以上のスケールの大きさみたいな物を感じずにはいられないのですがね。しかし次回作はいつ出るのやら、、そろそろカムバックして欲しい大好きなアーティストの一番オススメのアルバムです。(彼女のアルバムは全部良いですが、、、)。
深海
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ずっと前に10代の頃に初めて耳にした歌声は、ゆらゆらとゆったり漂ような、深く静かな
深海を感じさせるものでした
その時からずっと好きです。
聴いていてとても落ち着く一枚
すばらしいです
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昔、中学生ぐらいのころ、シャーデーのライブをFMラジオで聞いた。すごい母性を感じた。結婚したいと思ったこともあった...いま考えると気持ち悪い。ただそう思わせるほどの空気感を持ち合わせている音楽というのは早々ないとおもう
大人の空気感。その美を引き出す音楽
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名曲「KISS OF LIFE」が聴ける。落ち着いて、静かにベースが進行し、まるで音の行間を読んで、といっているような素晴らしいミディアムナンバーだ。当時FMラジオ番組のエンディングに流れており、気持ちが静やかに、新鮮な潤いを獲得するような心地を感じていた。非情におすすめな曲だ。
今作はシャーデーの世界的ロングヒット作。実は「KISS OF LIFE」以外はもっと内省的で同曲が今作中いちばんPOPSといえるだろう。アルバムのカラーは悲哀とかセピア色で、ヴォーカルであるヘレンを中心に趣深い世界を作り出す。JAZZからのルーツは大いに息づき、空間をミストのような不思議なAIR感で柔らかく包むようだ。これは案外、平井堅におおいに影響させていそうな音楽である。