碩学の作家が訳した大著
★★★★★
学者として理性の世界を極めても、世界を根源からささえるものには達さないことが分かったファウストが、悪魔と契約します。
お茶目な悪魔、メフィストフェレース(水木さんの悪魔くんにも出てくるやつのお父さん。)は、この世で享受しうる快楽をファウストに体験させるかわりに、もしファウストが「とどまれ、おまえはあまりに美しい。」と言ったら、「魂を地獄に連れて行っちゃうぞ。」と賭をします。(最後の審判を信じるキリスト教圏にとっては最大の賭け。)
魔女の薬で若さをとりもどし、三つ指ついて三歩さがってついてくる美女、グレートヒェンと恋をして悦にいってるファウスト。
しかし、グレートヒェンは母を殺してファウストとセックスします。(ゲーテはゲーテらしくもちろん性描写を割愛。)
そのうち身ごもって、彼女は不義の子を殺します。
旧社会なので、牢屋に入れられます。
錯乱します。
ファウストが救いに来るのに、理想のファウスト像を想像していて現実が分かりません。
獄中で無惨に死にます。
でも神はグレートヒェンを救います。
それは、彼女が個体にとらわれない大きな愛を知ったから。(ということで私は納得しています。)
今ならできちゃった結婚ですませるかもしれないけど、昔なら大恥。嬰児殺し。
悪魔が真実を語ること、その軽妙さが私は好きですが、皆さんはどうでしょうか。
いつか、原書を取り寄せて原文で読みたいです。
(頭悪くてすみません。)