他のも読んだけど、この翻訳が一番のはず。
★★★★★
大きくて途方もない世界を、
大きくて途方のないまま書いた作品。
すごすぎるよ。
作品の中のファウストは、
人間のできること、全部やっちゃった。
善いことも悪いことも
決めることも迷うことも
喜ぶことも悩むことも
努力と睡眠
平和と戦争
恋愛と仕事
行動と思索
結婚子育て人造人間
悪魔お祭り
王のつかい政治家
などなど、全部やっちゃった。
特に第二部なんて時も距離も難なく縦横無尽。
そこまで書いておきながら、
最後はよくわからないところから
よくわからないものに救われて
よくわからない賭から飛び去ってしまう。
「なべて過ぎゆくものは
比喩に過ぎず。
地上にてはいたらざりしもの
ここにまったきものとして現れ
およそ言葉に絶したること
ここに成就す。
永遠なるものにして女性的なるもの
我らを彼方へと導き行く。」
「なべて過ぎゆくものは
比喩に過ぎず。」
って!
ここまで描いておいてそんなこと言うかだしぬけに。
詩で根源を書いているところが美しいし頭いい。
いつか、原書を取り寄せて絶対原文で読んでやる。
(頭悪くてすみません。)