達観の先にあるもの
★★★★☆
追求の精神の権化である主人公は、行為の人として“大きな世界”での遍歴に入る。そして、物語は終息を迎える。
「日々に自由と生活とを闘い取らねばならぬ者こそ、自由と生活とを享繰るに値する」
働き者のビジネスマン・メフィストの悲劇
★★★★★
青春の悲劇から脱出したファウストはとある宮廷に入り込む メフィストも否応なく自分の縄張り外であるギリシャ神話のキャラクター達との交流を展開する ここでファウストがヘレンとパリスを連れ出しに行く「母たち」の国 これは魅惑的ですよ この第2部は「ぼやきのメフィスト」の巻です 守備範囲外の無理難題をぼやきながらもせっせとこなす働き者のメフィスト ビジネスマンはこうでなくては 合間にギリシャ神話の怪物達に色目を使うのも忘れないマメな奴 やがてファウストは広大な領地を得 治世者として豊かな理想郷を築こうとする ここで 穏やかに清くつましく暮らしたい住民感情を無視した地上げをメフィストが強行することになるのだが ファウストは近寄った「憂い」によって視力を奪われ メフィストが魔物を使って墓を掘る音を 理想郷を作る建設の音と聞く(どっかの社長や政治家にも居るよーな) 契約完了でファウストの魂を手に入れようとするメフィストから ちゃっかり横取りして天国へ持ち去った天使 色仕掛けで悪魔を誑かすとはまったく悪魔のような奴だ やっぱりあの天使許せないっ
おもしろい
★★★★☆
買って、1部を読んで、後悔して放置して10日後、再び手にして再読。
こういった本は初めてだったというのもあり最初は読みにくくしかも本の概要を途中すっぽり失ってしまうことも多々あったが一度わからないなりにもとりあえず通しで読んでみて、過去のコメントにもあったように、適当にひらいては気に入った箇所をチラリと読んでは閉じるを繰り返す。
これだけでも結構楽しめる。
どうせ難解なんだからウィキから情報を仕入れてみたり自分なりに読めるように工夫するのも一つの手かも。
はじめは訳注にこだわらず素直に文字を追うのがいいかもしれませんね。
貧乏長期旅行中でゆっくり再読できる時間もある為、カラマーゾフ、白鯨、アンナ・カレーニナと長編を持ってきていたが、カラマーゾフの下巻だけ残して皆バックパッカーに配る。
バスや電車などでつまみ食いできるこの本はかなり優秀。短く、簡潔に、リズムよく、スピーディーにまとめられていて、とりあえず2回以上読む人はかなり、いい買い物だと思う。
因みにこの新潮社の表紙、好かんです。ドストエフスキー、トルストイと小説の表紙に作者の顔をデーンと表示するのはやめて欲しい。
目眩めく《イメージの奔流》。
★★★★★
《第1部》は、割と整理された分かりやすい作品でしたが、
この《第2部》は、非常に流動的でとらえ所のない作品に仕上がっています。
でも作品としては、この《第2部》の方が、遥かに傑作だと思います。
まるで万華鏡のように多彩に変化して行く、《イメージの奔流》が、まさに芸術的に美しいです。
そして、ラストにおける《永遠に女性的なるもの》による《魂の救済》は、まさに感動的です。
多少、読みにくいかも知れませんが、これを読まないのは、はっきり言って損だと思います。
《ワールド・バイブル》とまで言われた、世界文学史上の《最高峰》とも言うべきこの作品は、
時代を越えて光輝く《永遠の名作》だと思います。
大作の後編
★★★☆☆
頁量は、500ページ弱にもわたる。
かのドイツの文豪ゲーテの有名な作品。
世界でいきて、晩年にまでわたった人生をいきた大作家の集大成的作品。
世界が描かれているといっていい。現代のように世界中につながる情報ネットワーク機器がない時代、個人が経験や見聞き、本などから知りえた世界というものを作品化。
古来からの神話伝承なども盛り込まれている。
一人の人間の内心の描写は少ないが、演劇がすきなら読みたい作品。
宗教、神など取り扱っている問題は大きい。森羅万象にわたる。