音楽的、暗示的、装飾的な描写で想像の世界を描き出したサンボリスト達、その代表はこのボードレールやランボー、マラルメであり、日本においては萩原朔太郎なのであるが、それら象徴派とよばれるものの全てが嫌いだという人もいるかもしれない。それならば頽廃主義、芸術至上主義者ボードレールの詩からではなく、ボードレールその人について述べられた書物から入り、そのあとで「悪の華」等を読むことをおすすめする、その方が詩、そしてボードレールに対する関心の度合が格段に大きくなることは間違いない。
ちなみにベンヤミンはその著作の中で「ボードレールは孤独を愛したが、彼がのぞんだのは群衆の中の孤独だった。」と書き記している。