しかし、旧幕府軍にも彼らなりに背負っているもの(旧幕臣の
生活)があり、それを守るために新天地蝦夷地に向かったという
事情がありました。
歴史教育というのは、現政権に都合のいいように作られている
ものです。社会科学というのは、単眼では片手落ちです、複眼で
判断する必要があります。この、戊辰戦争というものも旧体制と
新体制の対決という視点でとらえますが、旧体制にも正義はあっ
たと思います。
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さだまさしが歌う、主題歌『夢の吹く頃』もドラマの内容に
あっていて、とってもお勧めです。せつなくて、涙が出てきま
す。ときどき、口ずさんでしまいます。「夢がーゆく、夢が行
く~。あの橋のぼれ~、この橋のぼれ~、強く、強く、強く~」。
また困ったのが土方の描かれ方。近藤と別れてからの土方を少しでも知っていて、名作をパクりさえしなければ、こんなことにはならなかったはず。土方が倒れた後、静かになった戦場にある人がやってくるシーンなどは、あまりにもあり得なさ過ぎで馬鹿馬鹿しくなってしまいました。史実云々関係なしに「なんだそりゃ?」な演出です。なぜそんな所にいつまでも遺体が放置されてるのか? 敵も味方も放っておくなどあり得ません。実際は側近隊士がすぐさましっかり引き取っていますが、人として当然でしょう。そういうことよりも中途半端なメロドラマを優先させたかったのか…。
また、熟年の大御所俳優勢ぞろいなのは、豪華なのかどうなのか。実際は戊辰戦争時で榎本・土方・近藤はじめ登場人物のほとんどが20~30代。婚約者の浅野ゆう子も登場時18才(16才だったか?)は無理すぎ。演技の良し悪し以前に見てるこっちが辛くなります。
あまりの納得のいかなさに何度も途中で放り出そうとしつつ、一応最後まで見なくては、とがんばりました。が…苦行でした。