「春望」や「飲中八仙」が有名
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盛唐を代表する二大巨星の一人、杜甫の詩を制作年代順に編纂した『杜甫詩選』。
科挙に落第し、生涯不遇のまま、漂泊の人生を歩んだことは誰しも知るところです。
なにも科挙に受かって役人になって政治に参画することだけが人生の全てじゃないとは思いますが、当時の唐の人はそうは思わなかったのですな。
現に杜甫はこうして詩人として後世にその名を輝かせているのですから。
作風は確かに李白と比較すると、なんとなくではありますが地味に感じます。でも日常的な生活や歴史的事件を描いているからこそ、臨場感もあります。
ちなみに杜甫が喘息持ちであったということは、この本を読んで初めて知りました。