前作にあたる『I'm Alive』はパーソナルなスタンスへの回帰だったが、本作は、曲・サウンドともバラエティに富んだ内容で、かつての繊細なシンガー・ソングライター然とした印象からはずいぶんたくましい成熟ぶり（とは認めない人も多いが）を感じさせるアルバム。
70年代の名作群と比べることは出来ないが、80年代の彼の音作りに感じられた中途半端さは克服されていると思う。
＃３、＃９はこれぞジャクソン・ブラウンだ、と思わせる曲で特に良い。ただ、＃４〜７あたりはメロディメイカーぶりが存分に発揮されているとは言えないが。
＃１１は国内盤ボーナストラックのゴスペル風ライヴバージョン。

バンドとの一体感を追求するあまり、セッション的な感覚で作られたアルバム。
一曲一曲の作りこみに関しても不満があり、彼のアルバムでは珍しく数回聞いて棚に収まった。
この後のベストアルバムには「バリケート・オブ・ヘブン」のみが収められたが、それとて彼の作品の中では中レベルの曲です。

たまたま買ったCDが、オーストラリアでのライブとのカップリングだったため、かろうじて棚に保管されているが、彼のアルバムで唯一処分を考えたアルバムです。