科学者と国家について考えさせられた本
★★★★★
日本科学技術ジャーナリスト会議の「科学ジャーナリスト賞2008」の大賞を本書が受賞とのことで手にしました。
「毒ガスと科学者」(1991年、光人社。サリンに関する章を加えて1996年に文芸春秋から文庫判が発行)の著者でもあり、あとがきに本書の執筆に至る経緯が書かれていますが、読んでいて丹念な資料調査や取材などに基づいて書かれたことが伝わってきます。
ハーバーの生涯を書いた本書を通して、当時のドイツ、ヨーロッパ、そして日本の姿を学ぶことができ、世界史の一種の副読本ともいえる内容に仕上がっています。