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みだれ髪 (新潮文庫)
価格: ¥452
カテゴリ:
文庫
ブランド:
新潮社
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あまりにも情熱満つる歌と人生
★★★★★
与謝野晶子は学生時代からずっと好きだったけれど、「みだれ髪」を通しで一気に読んだのは初めて。
「明治の女」の枠にはまることなく、大胆な恋や官能を詠み、その嫉妬すら歌にする。
そして、自分自身の若さと美しさに対する讃歌。
「その子二十櫛に流るる黒髪のおごりの春のうつくしきかな」
「ゆあみする泉の底の小百合花二十の夏をうつくしと見ゆ」
「むねの清水あふれてつひに濁りけり君も罪の子我も罪の子」
好きな歌を挙げたらきりがないが、晶子ファンならずとも、その世界を感じることができると思う。
藤島武二の挿絵も風情があり、歌と合う。
最後に田辺聖子さんのエッセイもあり、文庫本とは思えない豪華な1冊。
「君と行くノオトル・ダムの塔ばかり薄桃色にのこる夕ぐれ」
パリのノートルダム寺院を、鉄幹と歩く晶子が浮かびました。
自分のパリの思い出も重なり合わせて・・・。
きっと、歳を重ねるたびに感じ方も変わって、新鮮に読める歌集。
贅沢な文庫本
★★★★★
なんと贅沢な文庫本だろう。
一ページあたり四首の配列と、ほどよい活字の大きさが、文庫本とは思えぬほど絶妙な結構をもたらしている。
藤島武二の挿絵も素晴らしい。六章からなる歌集に続き「訳と鑑賞」、「評伝」、そして田辺聖子の解説「年々の愛読書」まで載っている。
○春みじかし何に不滅の命ぞと
ちからある乳を手にさぐらせぬ
これが明治34年の歌である。
○金色のちひさき鳥のかたちして
銀杏ちるなり夕日の岡に
子供のころから大好きだった一首。
平凡ではないけれど、充実した生き方
★★★☆☆
明治時代、まだ女性の地位がそれほど認められていないこの時代にあって、与謝野晶子の作る歌、その生き方は、若者には共感されたが、大人たちは眉をひそめた。しかし彼女は、自分に正直に歌を詠む。その歌はその時代のものとは思えない大胆さだ。臆することなく堂々と自分の気持ちを歌にする彼女の生き方は小気味よい。鉄幹との出会いから、結婚、そして永遠の別れ。彼女の生涯は決して平穏な日々ばかりとは言えないが、充実したものだったに違いない。鉄幹と晶子の生涯を描いた渡辺淳一さんの作品、「君も雛罌粟われも雛罌粟」(雛罌粟・・こくりこ)を読むと、この「みだれ髪」の世界がもう少しあざやかに見えてくるかもしれない。
大胆ですな
★★★★☆
女性の権利など今ほど確立されてなかった時代。ここまで自分を表に出した歌を書くなんて...大切にしたのは、世間体ではなく、他者の評価でもなく自分自身から湧き出てくるような感情といったところか。
同時期の知識層に批判され、青年層、主婦層に愛された情熱的作品集。
私の一番のお気に入りの歌は26首目
やは肌の あつき血汐にふれも見で さみしからずや 道を説く君
イメージが髣髴と湧く素敵な詩集
★★★★★
解説を読んでみても良いのですが、やはり直に読んで想像するのが楽しいですね。
少々内輪ネタ(?)な部分もありますが、解説や、明子さんの年譜などを参照するとぐっと理解が深まります。
10代後半くらいなら、ぐっと身近に感じるところも多々あるんじゃないかしら。
発表当時、淫乱だの言われたそうですが、この時世、この作品を眺めて見ますと、大変清清しく美しい詩であることが判ると思います。
学生の女の子には読んで欲しい作品集です♪