全体観、協調主義、人間尊重経営の提案と実践
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日本では、リストラや競争実力主義など、アメリカ的な経営手法が取り入れられて久しい。筆者は、大学教授や経営コンサルタントとして30年以上アメリカで活躍していたというが、年功序列や協調主義など、日本的経営手法が人間尊重や長期成長の観点で優れていると説き、それらを統計的手法で理論的に分かりやすく説明している。
後半は、組織再生の実践的手法として、CDGM小集団活動が提案され、いくつか事例が紹介されている。CDGM活動はQC活動に似ている印象を持ったが、基本思想に違いがあるようだ。デミング14ポイント(基本思想)は押さえておきたい。
日本は、アメリカ的な経営手法の表明上のスタイルのみ輸入し、日本的経営手法の良い部分を忘れかけているのではないかと気かされた。小手先の経営テクニックではない、普遍的で有用な人間尊重の経営思想、組織再生の実践的解決策を求める経営者や管理者におすすめしたい。