セクシーな美女4人、ヘイリー（第1バイオリン）、エイオス（第2バイオリン）、タニア（ヴィオラ）、ゲイイー（チェロ）からなるカルテットのデビューアルバム『born』に、未発表ヴァージョンの「ヴィヴァ！」とプロモーション・ビデオを加えたスペシャル・パッケージ。
   彼女たちはレッド・ツェッペリン、デヴィッド・ボウイ、クィーンなどブリテッシュロックの大物を手がけた伝説的なコンサート・プロモーター／マネージャーのメル・ブッシュの紹介で出会い、調和と野望に満ちた計画を象徴してユニット名を「ボンド（＝きずな、統合）」としたという。
   弦楽四重奏というと室内楽特有の繊細な音を想像するかもしれないが、彼女たちはまったく違う。既成のクラシックの方法論にとらわれず、トランスやハウス・ミュージックからラテンまで、あらゆる要素をミックスしたダンスビートにクラシカルなメロディを乗せるという独特のサウンドが持ち味である。本作が世界各国のクラシカルチャートで上位にランキングされたという事実は、彼女らがポピュラーミュージックとクラシックの壁を取り払う役割を果たしたということを意味しているのかもしれない。そういった意味でも重要なグループであり、重要な作品といえよう。（末延仁人）