アフリカへ旅立つ前に
★★★★★
粒揃いだった前作の路線を踏襲しつつも、それがデモっぽく聴こえるほどに洗練され、焦点が合った3作目。
目指すはクールでハイテンション、そしてドラッギーな境地か?
(曲のタイトルからして「空気」「都会」「エレキギター」「天国」「動物」「紙」などとひとつの単語でまとめて硬派に詩的)。
ギター、ベース、ドラムの基本3ピースにキーボードで、
プロデューサーのブライアン・イーノとメンバー4人でできることでの最高地点に達して見せた。
引っかかるようなリズムギターのカッティングをベースにしたニューウェイブならではの楽曲は、メロディラインが抑制的でありながらポップ。
声量無いのにトランス状態で緊張した声帯を痙攣させるバーンのヴォーカルが扇情する。
フランツやらブロック・パーティーやら2000年代のNWフォロワーの創作意欲を駆り立てたに違いないシンプルな、ある意味パンキッシュなギターバンドスタイルが非常に魅力的だ。
ここからさらに1,4,5曲目で聴けるようなアフロビート路線あるいはファンク路線を発展させ
その成果として素晴らしい結実の次作”REMAIN IN LIGHT”があるわけだが(そして世間的な評価もよりメジャーなものになった、)
個人的には、そういったものを含みつつも、フォークを下敷きにしたタイトなギターバンドであった、このアルバムを最も愛聴している。