アカペラのハーモニーだけではない心地良さ。
解説は出来ませんが、物凄く巧いんだと思います。
他では聴けない音や雰囲気。
ただただ、すごいなぁ…と感心するのみ。

過去の作品からも明らかなように、彼等のアカペラシンガーとしての技術の高さは言うまでもない。
むしろそれよりも驚きなのは、毎回新しい色をみせる彼等の歌声である。
作品ごとに「今回はどんな世界を見せてくれるのだろうか」と、聞く者を期待させる。

マルガリータが脱退してから初のアルバムという事で、今回のアルバムには多少の心配もあったが、
輝く歌声が耳に入ってくる瞬間に、その心配が杞憂に過ぎなかったと感じさせてくれる。
#1のBUMBLE BEEから、グループを組んで間もないとはとても思えない息のあった掛け合いが展開される。
新加入のエマの軽快ながリードボーカルが非常に心地よい#6のA MINUTE ON YOUR LIPSからも、
彼女が今までReal groupになかった新しい色を吹き込んだことが感じられる。
個人的に特にオススメしたいのは#8のTHE WINDOW THAT LEADS TO YOUR WORLDと#11のFLYING HIGH。
是非実際に耳にして感じていただきたいのだが、
どちらの楽曲も今までの彼等にはなかった新しい空気が満ち溢れている。
#8はBIG BAD WORLDに似た世界観かと思いきや、ダンスナンバーのようなグルーブが広がりをみせる。
一方#11は、Real Groupお得意のポップチューンで、一面の草原のような爽快さに満ちている。
もちろん他のどの曲もこれらに劣らぬ完成度である。

今までReal Groupを聞き続けてきた人にも、これから聞く人にも自信をもって勧めたい一枚。

アカペラグループはいろいろありますが、今もっともワクワクしながら聴けるグループはこのスウェーデンのThe Real Groupです。
メンバー全員が国立音楽院出身ということもあり、実力には折り紙付きなんでしょうけども、クラシック出身の人に見受けられる弱みがこの人たちにはまったく感じられません。
ジャズのスウィング感はホントにすごくてグイグイと引っ張られてしまいますし、新たなチャレンジであるカントリーはこの上なく楽しい。
音のバラエティというものに対するこだわりがすごいんじゃないかな？　聴いていて本当に飽きない。　そしてメンバーがそれぞれほんとにほれぼれするような美声だし、コンビネーションも非の打ち所がありません。　この最新作でもそんな彼等の楽しさ、すばらしさがふんだんに発揮されていて、もしかするとこれまでで最高の出来では？と思えてきています。
彼等の音を初めて聴く人にも自信を持ってオススメできる1枚です。一家に1枚としてもお勧めできます。