なんちゃってヒューマン・ビート VOXも、ジョー・ストラマーも、BOOWYの「B・BLUE」も、詩人の谷川俊太郎も並列させてしまえる力業はハルカリならでは。もちろんそれらはリリックの一部だったり、サンプル・ネタのひとつ。でも、決してそれらが「ひとつに過ぎない」レベルに終始していないのが、脱力系ラップ2人組としてデビューした頃との大きな違いだ。
DJ FUMIYAがRIP同様、本腰でトラックを作っていたり、FPMも自作ではできない2004年の歌謡を件の「B・BLUE」の大ナタぶるいで表現していたりするのも、真剣さの証明ではないか。それぐらいハルカとユカリは美味しくてハイレベルな素材で、できた料理はジャンクでもスロウでもない新趣向を見せている。(石角友香)
よりスムーズに
★★★★☆
ハルカリの2003年のセカンドは、一言でいうとファーストに比べて、グッとスタイリッシュになったということですね。前作のタイトルが「ハルカリベーコン」だったということを考えれば、今作が「音樂ノススメ」というのは象徴的です。前作でも既に、リリックのうまさは感じたのですが、それがさらに流麗になって、歌もうまくなったと思います。当然のことながら、2作目なので、ファーストほどの衝撃はないのですが、それでも若さゆえの急激な成長を見せてくれています。セカンドアルバムとしては、これでバッチリでしょう、うん。なんかキリンジのセカンドなんかを思い出してしまいましたね。自然体のままに、気負いなく作られた感じです。
そして、サードへと。
道
★★★★★
ジャケットと歌詞カードをご覧下さい。
髪の分け目が道になっていておもしろいですね。
私のM字型脱毛も利用して彼女達共々、新たな道を切り開きたいです。
賛否両論ありますが…
★★★★★
1stアルバムにあった底抜けに楽しい稚拙なラップの曲たちは影を薄め、このアルバムではあのときより少し大人になった雰囲気のハルカリが聴けます。1stが好きだった人には受け入れがたいアルバムかもしれないけれど、個人的にこのアルバムは長く聴いていけそうな愛聴盤になりそうです。谷川俊太郎とスパノヴァ作の「芝生」は切なくも美しい名曲です。「マーチングマーチ」「ストロベリーチップス」などの前作の流れを組む曲も素直に楽しいです。でも、やっぱり、個人的には、天国のジョー・ストラマーが恋する二人を変な激シブのレゲエビートで切なくさせてしまうって曲「フワフワ・ブランニュー」が一番泣けます。とにかくポップなアルバムではあるので、おすすめです。
伝説の2人
★★★★★
OTFのリズミカルなトラックがシングルになってたり、HALCALIは確かにHIP HOPユニットだが、このアルバムで自分が一番好きなのは「伝説の2人」。YUKI作詞、YO-KING作曲によるHIP HOPとはかけ離れたフォーキーな曲。自分の好きな曲調、この曲があるだけで前作より好き。本人たちも歌ものをやりたいと言ってたし、谷川俊太郎の詞が入ってたり幅の広がった内容になっている。もちろんラップも健在。
ストロベリーチップスの何とも言えない感じも好きだなぁ。